海洋空間ユカリンの一言



第4回 テレビドラマ   2003.4.2


突然ですが、皆さんは1〜3月のテレビドラマで何か見ていた番組はありましたか?
私は今回『僕の生きる道』を見ていました(たまに忘れて見逃した回もありましたが…)。
今までのドラマとは一味違う感じでとてもよかったので、
少し紹介したいと思います。


<ストーリー>
私立高校で生物を教えている中村英雄(草g剛)がある日、
健康診断で再検査となり、その結果“スキルス性胃がん”で余命一年と宣言され、
“自分は何のために生まれてきたのか”と考え始め、それから彼の生き方が変わり始める。
同僚の秋本みどり(矢田亜希子)は、英雄が余命一年ということを知らずに、
前向きに人生を送るように変わった彼の姿に惹かれ、好きになってしまう。
以前からみどりのことを好きな英雄は、そのことを告白され、天にも昇るような気持ちになるが
こんな自分では彼女を幸せにできないと、一度は彼女のことを突き放す。
しかし英雄の病気のことを知っても、彼の残りの人生を一緒に歩んで行きたいというみどりの強い気持ちと、
周りの人たちの助言によって英雄はみどりと結婚し、残りわずかな人生を悔いなく生きようとする。
最終回、英雄はみどりに手を握られながら永遠の眠りにつく。
その五年後、みどりは英雄にプロポーズされた大きな木の下に行き、
天国の英雄に『私はとても元気です』と笑顔で伝える。
去っていくみどりの後姿を、幻の英雄が見守っている…。
 



ストーリーはどちらかというとありがちで、
下手をすればただ暗いだけのドラマにもなってしまうと思うのですが、
このドラマは淡々としていながらも人間の弱い部分や暖かい部分、
自分の人生を生きるという大切なことをじんわりと教えてくれたような気がしました。
私は、もちろん死に直面しながらも前向きに生きる英雄の姿にも感動しましたが、
それ以上に英雄の支えになろうとしていたみどりのまっすぐな気持ちと生き方に強く惹かれました。
英雄が悔いなく人生を終えることができたのは、
本人の強い意志と努力があったからだとも思いますが、
それ以上にみどりや他の先生方、主治医の先生、生徒たちの存在も重要だったのではないでしょうか。
人は決して一人では生きていけない、
お互い支え合うということがそれぞれの人生にとってどれほど大切かということを、
このドラマを通じて改めて学んだように思います。
普段何気ない生活の中で、こうして自分が生きていられるのはなぜ?
なんて考えることはめったになく、
いろんな人に支えられていることすら気付かず当たり前のように過ごし、
感謝の気持ちも忘れがちなものですが、
このドラマを見ていると、いろんな場面で人の優しさや思いやりに気付かされ、
素直に今の自分を支えていてくれる人たちに感謝したくなるような気がしました。


私が一番印象深かったのは、英雄とみどりが新婚旅行で温泉に行った時のこと。

深夜目が覚めたみどりは隣に英雄がいないのに気付き、
窓辺に浴衣一枚で座っている英雄を見つけ、背中に羽織をかけようとする、
その時英雄は『死にたくないよ』と泣いていた。
そんな英雄のことをみどりはしっかりと抱きしめる。

私はこの場面を観た時に、
人間にとって自分の弱い部分を全部見せることができる相手がいるということは、
なんて大切なんだろうと思いました。
英雄はみどりのおかげで、今まで出せなかった正直な自分の感情を出すことができ、
またそれをみどりがしっかりと抱きしめてあげることによって、
英雄はとても癒されたのではないでしょうか。
そして、再び死と向かい合う勇気をもらったのではないでしょうか。

最後のシーンのみどりの凛とした表情を見ていると、最愛の人に先立たれ一番辛い立場なのに、
英雄に恥ずかしくない“自分の人生”をしっかり生きているという感じが伝わってきてとてもよかった。
みどりもまた秀雄に支えられながら、
今を大切に強く生きるということを学んだのではないでしょうか。
私もいろんな意味で、秀雄やみどりのように芯のしっかりとした人間になりたいなと思いました。

「死」をテーマにしたドラマなのに、なぜかほんわかとした雰囲気を醸しつつも、
胸に深く残るという作品でした。
草gくんと矢田ちゃんの、おっとりしているけれど芯が強いという演技もとてもよかったです。
最終回を迎える頃には、この二人はなんてお似合いなんだろう、
と本気で思ってしまっていました。






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