海洋空間女であり過ぎた女の日常



第28回 ガニメデの少女 前編   2005.5.30



次女アヤちゃんが高校2年生になって、とてもとても可愛くなってきた(←親バカ)。
相変らず、短いスカートでパンツ丸出しでそこらへんで寝ています。
隠してください。
携帯電話を買って、電話代を自分のバイトで払っています。
ここまでは、まぁ普通の高校生らしいんですが。

ところで、長いお休みの理由は、ぶっちゃけ鬱病になりお医者様に仕事を止められ、
挙句休職から退職になり、紆余曲折の末、現在派遣で働いているんですけど、
その間とても書くような出来事もなく、もし書いたとしても、とってもヘヴィな、
でもメタルではない(たった今思ったけど、ジューダス・プリーストの評価みてぇ)
陰々滅滅なネタになったような…。
とにかく、バイトから始めてなんとかフルタイムで働くくらいに
回復したはずだったのですが…。
自分がそんな病気になる前は、まったくわからなかったけど、
あれは回復に長い時間がかかるのですね、一般的に。
なので、仕事を始めたからといって、全快ではなかったらしい。

慣れない仕事のストレスと、娘2人の反抗期やら喧嘩やらのストレスと。
かてて加えて、丁度季節は木の芽時。。。良くない。
トドメのように、娘達の学校関係の諸手続きなどで、
学校から電話バンバンかかってくる。
プライベートでも朝な夕なにかかってくる。
記憶は飛んで、まるでニワトリ。
3歩あるけばとたんに忘れる(動かなくても忘れるが)。
だからして、仕事中は動いてはいけない。
なのに電話がかかり、書類探しに走り回り。
そんなこんなでパンクしたアタシ。
パンクするとどうなるか?
猫になります。
車に轢かれる猫状態。
危険が迫っているのがわかっているけれど、固まって動けない!

で、実家から父親がやってきて学校関係の書類手続きを手伝ってもらい、
そして娘達を連れて病院へ行き、わたくしの病状説明をお医者様からして頂いた。
いい年こいて恥ずかしいけど、助かった。
もういらぬ心配はかけてくれるな、ママは消耗して消えてしまいますってのが、
特に次女にはわかった、と思っていた。
何故次女か?

「おねぇと喧嘩したから、今日は絶対家に帰らない! 渋谷のマンガ喫茶に泊まる!」

てなことを平気でしていたからなのです。

アヤちゃんの顔を見るまで、ジリジリと消耗すること度々。
だって、渋谷ですもん。
ご当地差別をするわけではないが、渋谷で働いていた自分が、
どんなに怪しげな場所かというのをよく知っている(つもり)。
そして、帰ってきてからほっとした私と喧嘩が始まる。
そうでないときは、壮絶な姉妹喧嘩などやらかす。
この、喧嘩の声が消耗している私の神経に刺さるの、ホントに。

というわけで、
多分そんな日々の反省と心配をかけないつもりで言ったアヤちゃんのセリフがこれ。
「アタシさぁ、彼氏ができたんだ」
心開いて、隠し事せず正々堂々とするから安心してね、てなくらいの意味だろう。
あぁ、おめでとう。
そうなんだ良かったね、と言った2日後の土曜日。
「これから彼氏連れていくから、家の中かたづけといて!」
な、なんなんだいきなり。
それを聞いたユリ(長女・高3)と前の晩から我が家に家出してきていたユリの友達
「えーっっ! マジで!」
とか言いながら、おもむろに化粧をし始めた
何故だ?
で、玄関に件の彼氏とともに入ってきたアヤの言葉が
「カッコいいでしょ!」

…溺れてやがる。

確かに今風にイケメンですが、アヤちゃん
彼を紹介する第一声がそれですか。
そして、家にいた娘どもが化粧した理由がそれですか…。

ま・とにかく、アヤの彼とユリの友達をまじえて夕食を食べることとあいなり…。
そう、和やかに和やかにその日は終わった。

なのに、次の日の夜、もう寝ようと布団に入った私のところにやってきて

「ねぇ、アタシ明後日彼ン家泊まりに行っていいでしょ?」

はぁ?

どうして、いきなりそうなるんだい?

「だめ」
「えーなんで?」

えー? なんでわかんないの?
あんた、先月やっと16歳になったばっかじゃん。
なんでお泊りを許してくれると思ったんだ?
若い娘を持つ親御さん、これどう思います?
疲れたので、続くm(_ _)m






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