海洋空間女であり過ぎた女の日常



第22回 モルモットの気持ち   2004.2.25



昭和大学藤が丘病院の手術ミスのニュースを見て思い出したこと。
昔々、まだ20代半ばの頃、ちょっとした病気をしたのでした。
お腹に腫瘍ができたという。。。

「おかしいな?」とは思っていたのだが、その頃娘達は3歳と4歳。
2人を連れて病院へ行くのは考えるだけで憂鬱で、
延ばし延ばしにしていたのだけれど、
もうアカンかも!という状態になり病院へ。
結果『即入院&手術』命令

いきなり入院なんてできる環境ではなかったのと、
病院が怖いため、逃げるように帰ってしまった(オイオイ)。
それから数日がたち、
「入院しにきました〜o(^-^)o」と覚悟を決めて行ったらば
日数が経っていたため
「ここでは無理です。大学病院へいってください」
と紹介状を頂いて、大学病院へGO。

さて、病院嫌いなオイラは、大学病院という響きでまず目眩を起こした。
なんせ出産の途中というのに、小心者ゆえ、
恐怖感と激痛で過換気症候群になってしまい、
紙袋を口に当てて出産したくらい病院が怖い。。。
思い返すと、こんな出産シーンもある意味怖いが。

お腹が結構な大きさになっていたため、再度エコーで確認するときに、
研修生か?まだ学生か?
白衣を着たアンちゃん達が狭い診察室にワラワラ湧いて出てきて、また目眩が…。
こんだけ大きな腫瘍に育ったのは珍しいらしく、
白衣のアンちゃんたちの好奇心に輝く目を見て
「…さらしものか」と悟ってまた目眩

多分偉いんだろうなという感じの先生が
「体調がかなり悪かったでしょう。体が浮腫んでいるしね。
 手とか
足が握りにくくない?」

偉いらしい先生の、そのセリフでまた目眩が…。
足は握れませんって。
あ、学生達が下向いて笑いをかみ殺している…。
大丈夫なのか?この病院で大丈夫なのか?アタシ

即日入院、明日手術。
凹む。
一生手術とは縁がない(出産は別にね)と思っていたのに、凹む。
手術って、一体何をされるんだあ?
怖いじゃないかぁぁああ!(心の声)

怖い怖いとベッドで泣きながら
「どうか、痛くありませんように」と神様に祈って夜を過ごした翌日。

朝から早速、手術に取り掛かられたのだけど、
何もかも初めてのオイラは手術室に入った時の、
その場にいる人数に卒倒しそうだった
いや、移動ベッドみたいな上に寝てたから、卒倒しないけどさ。
10人くらいはいたろうか
看護師を除いて、この人数。
そして、大学病院ならではの若いアンちゃん達がここでもワラワラ。
ああ…。

お勉強のサンプルなのね、アタシ。

手術ショーはテキパキと始まる。
オイラが何を感じて、考えて、怯えていようといるまいと
全く無視して進行していく。

まず、全裸にされた(キャーッ!アンちゃん達の目の前で!)。

いや、さ。
患者として見てるだろうからさ、オイラのヌードを見たからって
金を払いたいor金を貰いたいってなこと、考えもしないだろうが、
いかんせん!まだ20代の半ばなのよ、アタシ(: ;)


しかも、ずっと体調が悪かったから、脇のお手入れしていないのに。。。

手と足を
バンバンバン!

ベルトのようなもので体を大の字に固定されて、上からバスタオルをかけられた。

もちろん

腋毛がボーボー

凹む。

若いアンちゃん達に囲まれて腋毛がボーボー。

そりゃオイラの腋毛に興味ないだろうけれど、
それでも20代半ばのお嬢さんなの〜〜〜(大泣)。

病院って消灯時間が早いから、
言ってくれたなら昨日の退屈な時間にお手入れできたのにぃぃいい(大泣)。

言ってくれればぁああ。

手術が終わった後、
オイラが横たわっているベッドを病室に移動しながら医者に声をかけられた。
この時に、返事をしないと麻酔事故などの疑いがあるので、
返事をしないといけないらしい(後で知ったこと)のだが。

あまりのショックで、返事をしないで(できないで)いたら

「○○さん、○○さん!(←苗字を呼んでいる)終わったよ」

返事をするまで、肩の辺りをパシパシ叩き続けるんだな。

わかったよ、聞こえているよ、いてぇんだよ!

それにしても、検査や手術などは、表現は悪いんだけど
本当に人間をモルモット扱いなんだなと納得したな。
そうでなければ、冷静に手術などできないんだろうけれど、でもね。
モルモット扱いの境界線から一歩足を踏み出せば、
ドクハラやらなんやらとなるのかも知れない。

隣のベッドの50代のおばさまが、医者から点滴の針を入れられていたんだけど、
血管が細いためか何度も何度もやり直しをされていた。
そのやり方がまた、素人目にも人形の腕か木の枝に針を入れるがごとく、
ガシガシと入れることだけムキになって力任せに入れようとする。
点滴の針は5cmくらいの長さで、そんなものを入れるなんて見ている方が痛いけど、
やはりこの場合入れられている方がホントに痛い。
で、とうとうおばさんは泣き出しました
しかしその医者、「何を泣いている?」ってな風情でとっとと病室を出て行った。

人間って、痛みを感じたり、無理に中を削ったりすると死んだりするんだよ。
腋毛が生えていれば、恥ずかしくて失神しそうになるんだよ。
頼みますよ、お医者さん!






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