第18回 仔猫がコギャル 2003.11.3
PCのデスクトップに仔猫が2匹、寄り添って眠っている画像を置いているのです。
薄い水色の小花が散っている模様のフワフワの布の真ん中で、
縞模様(エジプシャンかな?)の小さな仔猫がまどろんでいる。
目が細く釣り上がって閉じて、口元をうんと小さく閉じている。
幸せが詰まっている空間。
その昔、うちのバカ娘共(ユリ:高校一年生、アヤ:中学三年生)も、
この仔猫のような寝顔で2人寄りそって眠っていた。
赤ちゃんの髪の毛はフワフワと細くて、しなやかで、
顔に近づくとほんのりとミルクの匂いがした。
あぁ、なんて可愛いんだろう、とため息をついて(←親バカ)
キスをしたり、頬を撫でたり鼻を撫でたり。
子供の肌はきめ細かくて、
触っていると幸せを感じるほど気持ちがいい(←あぶねぇよ)。
上の仔猫(ユリ)が少し大きくなって小学校の高学年になった頃、
「ねぇ、ママ。サンタさんって本当にいるの?」
季節はクリスマスが近づいて町のディスプレイもクリスマス仕様に変わって、
なんとなくみんながウキウキしているような毎日になっていた。
「います」
ママ即答。
小学校の高学年(4年生)にもなると、教室では
「サンタクロースって、本当はパパとママなんだよ」
てな話をクラスメートとしているんだろう。
だからして、こんな質問が出たわけだ。
「ユリのクラスの子がねぇ、ホントはいないっていうの。いるよねぇ。ちゃんといるよねぇ」
「ビンゴ。うん、いるよ。ママは嘘つかない」
「よかったぁ。ビンゴってなに?」
「よかったね。ママは嘘をついてないよ。確か、カナダにいたはずだ。
ビンゴって、そんなゲームがあんだよ。気にしなくていいんだよ」
次の年、ユリが5年生になったクリスマスイブ。
毎年プレゼントを見つからないように外に隠しておいて、
娘たちが絶対に絶対に眠った時間に枕元にそ〜っと置くのだけど、
その年はホントに寒くて、ここ数日プレゼントを買うために動きまわっていたのと、
明日も仕事だぁと考えると億劫になって
(おかげで毎年クリスマスは元旦那もオイラも寝不足で仕事する)、
ちょっと、布団で横になりたい☆
と横になった。
予定では1時間後に起き上がり、外に置いてあるプレゼントを取りにいくo(^-^)o
はずだったけど…。
「ママ。ママ起きて」
揺さぶられて目を開けると、ユリの顔が目の前3センチの距離で迫っている。
ユリの顔が迫るのは別にいいんだが、
ユリの表情が切羽詰まって引きつっているのは良くない。
何が起こった?何が起きたのだ??
アヤが起きてこない。アヤに何かが起きたのかぁああ?
「サンタさんが来なかったの」
泣きそうなマジ顔でユリが言う。
それでも何を言っているのか飲み込むのに少し時間がかかった。
あぁ、サンタね…。
・・・・・・・・・・・・・・・
ああああああぁぁぁああ!眠っちまったぜぇえ!
てか、お前は5年生でまだ信じていたのかよ〜〜〜。
去年、あんなこと聞いてきたから、もう信じていないと勝手に思っていたよ、スマン(>_<)
必死に
「きっとサンタさんは回るお家が多くて、間に合わなかったんだよ。
きっと1日遅れでプレゼント届けてくれるよ。大丈夫だよ」
と力を込めて慰めたけど、クリスマスディナーの買い物につき合わせても、ケーキを切っても
「…サンタさん、今日は来るかなぁ。大丈夫かなぁ」
とずっと溜息をつくユリ。
布団に入ってからも
「サンタさん…」と呟くユリ。
本当にゴメンネ。
5年生で、そんなにも思いっきり信じていると思わなかったんだよ。
じゃなくて、ママも年とって夜更かしが辛くて…。
あ〜、何をどう考えても言い訳の羅列になってしまう。
ダメ母だ。
それから数年。
そんなウブだったユリも高校生になり、
茶髪、ミニスカ、ネイルと化粧で登校するコギャルとなり、
あの仔猫のような面影は1ミリだってなくなってしまった。
もちろん、クリスマスのプレゼントはサンタじゃなくてママに直接ねだる。
しかも、偉そうな態度で。
「クレージュの財布ね!」
ママだって、ブランドの財布持ったことなんか1度もないのに、なんでアンタにクレージュを…。
でも、ママは頑張る。
サンタを5年生まで信じ込んだ素直な娘なんだから。
『韓国語で、サンドイッチは"パン二ハムハサミダ"(力を込めて発音)っていうんだよ』
これは、韓国人の友人ができるまでは持つだろう(^o^)
(現在、信じてる最中である。ケケッ)
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