海洋空間女であり過ぎた女の日常



第13回 ちょっとした休日   2003.8.25



さて、私は旅行をしたことが無い。
信じられねぇ、と思うでしょうが。ホント。
今までにした旅行と名のつくものは、修学旅行。
あ、あと中学でスケートやっていたから大会の遠征位か?

結婚はできちゃった結婚だったし、
できたとわかった途端に、元ダンナは沖縄出張半年間(>_<)
ダンナ不在の間、これから2人で住む場所や婚姻届などの手配を全てして、
出張から戻ったダンナと新居を決めたのは11月。
それから荷物の整理など、しているうちに新年に。
その頃の私のお腹は、8ヶ月のポンポコリンでした。
結婚式、新婚旅行なんぞする余裕なく、
新年のお休みにダンナと横浜中華街へちょっくら電車で遊びに。
若い2人は引越しなどでお金がないので変な中華そば屋でラーメンすすり。。。

「ねぇ、これがひょっとして、新婚旅行?」
と新妻の私は聞いた。

「もちろん(^o^)」

…泣いた。
おい、てめぇ、その不甲斐なさを嘆くとかせんのかよ!
と、今のアタシなら怒鳴るけど、
ま、若かったので変に納得したのです(怒れ。その頃のアタシ)。

ま、いいや。こんな思い出。

で〜。
それからはダンナの実家へ行くことが、主な遠出なんで
(自分の実家には、金銭的事情で帰れない)、
どっかのホテルにお泊りってのが、まず憧れだったのでした。
どこへ、というより、まずホテルに泊まりたい!
それは、ラブホテルではいけないって、当たり前か。

友人を誘って友人の娘さんと3人で
近所のホテルに花火大会に合わせて泊まる事にしたのだけど、
残念なことに花火大会はこの長雨で中止ということに(>_<)
それでも久しぶりに会う友人と、
いつもなら子供がいるのでゆっくりとはお喋りできないから
心ゆくまでだべるぞ〜と2人でハシャグ。
友人の娘は5歳の可愛い盛りで、一瞬もジッとしやしない。
いつもなら夜ドタドタ歩くな!と怒られるけど、
今日はベッドでポンポンしてもいいよ。
お部屋で大声だしてもいいよ。走り回っても良いんだよ。
というと「キャーッ!!」奇声をあげて、
お部屋でボール投げ(リュックに詰めて持ってきてやんの)、
その次はサッカー。宝探し。
それぞれが大した理由なくハイテンションでハシャグ。

初めてわかった。
恋人達が旅行に行きたがる理由(遅すぎ)。

ほんっと、日常から離れて一緒にいると、目の前にいる人は特別になるよなぁ。
私は、目の前の友人が前から特別な存在だったけど、
より一層特別な存在に感じた。
ま、彼女はその気が無い人だし、子連れだしで
マチガイアヤマチは絶対に起こらないけど、
その気(どんな気??)がある人だったら、どうしましょう??
相方に連れて行って貰ったゲイバーでのことだが
(この場合のゲイとは、ホモ、レズ両方をさす)、
男にも(つまりホモ)女にも(つまりレズ)

「アンタ、レズかバイでしょう!」

決め付けられちったf(^ ^;)
子供産んだから、レズってことはないんだけど…。
「そう見える?」
「うん。なんとなく、わかる

わかられても…。
では、その気のある女性とお泊りした場合、
きっと何かが起こるのだろうか…。
一緒に泊まるということをOKした時点で、
何かが起こるのはお約束なんだろうか…。
女性でも、好きな人だったら、いいかな?
おっと、くだらないことを考えてしまった。

部屋で夕方6時ごろから酒盛りをし、
10時頃に皆(子供は除く)酔いつぶれ、
明け方に起きて二日酔いでポツポツとまたお喋りを始めた。

行方不明の知人の話。
離婚した友人の話。
姉妹の事、親の事、旦那さんのこと。
世間の変態のニュース。
子供が殺されるニュース。

幼子が傍らで寝息をたてる、薄明るくなってくる部屋で
「生きていくって、夜歩く旅人みたいよね。
 見えないから手探りで、不安で。
 その時は確かなものと思っていたのに、確かなことってないのよね・・・」
「そうだね・・・」

だから、少し休もう。

進まずにはおれないなら、
ちょっとだけ休もう。

明日のことを恐怖しつつ。

明後日の夜明けの光を夢想して。

希望を灯に。

また歩くのだから。






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