海洋空間女であり過ぎた女の日常



第11回 未来が怖い   2003.7.25



中1の子供が逮捕されたことに触発されたのでもないのだけれど…。
あのニュースは、本当に痛かった
続けて、小6少女の行方不明のニュース。
少女達は戻ってきたが、
「いいバイトがあるよ」という言葉に引っかかったのでしょう?
我が母子家庭、小遣いもそれほどあげられない。
痛い…。

鴻池大臣の「犯人の親は、市中引き回しの上、打ち首獄門」発言は、
本当に胸が痛かった。
彼の言わんとするニュアンスはわかる。
そのニュアンスに対して賛成と言ってもいい。
でも、痛かった。

子供を殺された親の気持ち。
自分の子供が誰かを殺したと知った親の気持ち。


どちらも、想像の域でしかないけれど、リアルに胸に響く痛み。

例えば、自分の子供が殺されたら…。
持てるコネを全て使って、
私は殺しにいくだろう(人命という2文字をなめちゃアカン)。
その後、私が捕まっても構わない。
警察なんかに、犯人を渡しはしない。
死んだ子に、親がしてあげることなんか、
もうそれくらいしかないのだから。

(メール中心友に、『もう1人娘が残っているんだから、絶対早まるな!!!
残った娘が、子供を産んで、買い物なんか行く時に
オマエに子供を預かってほしいだろう。
そんなこともできなくなるぞ。
本当だったら、母さんに子供を頼むのに、できないんだなぁって悲しむぞ!
旦那の親には気ぃ使って、片身の狭い思いをするんだ。
それでいいのかよ!?』と諭された。負けた)

でも、もし犯人の親であったなら?
今回、年が娘たちと近いので、本当に何かが痛い。
こんな私には何もできない。
謝ることしかできない。
それを拒絶されたら…。
もう、何をすべきかわからない。
生きているのも怖い

世間には怪物でも、
私にとってはつい数年前にはまだ私を頼りきって私のスカートを引っ張って、
うるさいほど纏わりついていた小さな子供。
だから、私が責めを負います。
でも、私にできることを全て拒否されたとき、
もう、どうしていいか、わかりません。
それでも、謝るしかないのです。

「私の愛し方が間違っていたのです。でも、愛しているのです」

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上の娘、ユリが以前、ポツンと呟いた。

ねぇ、ずっとママと暮らしていい?
 バイトしないで、ママのそばでずっと暮らしていい?


やりたい事が見つからない。わからない。
バイトしてお金を稼いで、好きな物を買おう!と勢い込んでいたけれど…。
話に聞くのはバイトであろうが、上下関係もあり、ルールもあり、
でもお金を稼ぐ以上は当たり前という社会の入り口の現実。
怖気づいたらしい。

ニュースは暗いことばかり流れ、
理不尽な出来事ばかりが流され、
何を信じていいのか、わからなくなる。
正しいことをやり抜いても、
それで命を落とす人のニュースが流れる。

メッセージは「報われない社会」。

結婚や子供を産むというのは、それでも未来を信じるということ。
未来に賭けた若いママの児童虐待のニュースで、
それは無謀なギャンブルなのだなと言葉に出さずにただ、認識する。

おかぁちゃんも、結婚失敗したしなぁあ!

それはともかくぅ。

年子で産んだため、ユリはずっと我慢していたよう。
ママは妹ばかり抱っこする。
ママは妹とばかり手をつなぐ。
アタシは、ママから愛されていないんじゃないだろうか。

何かしらの閉塞感を感じているのだろうか。
瞬間瞬間に楽しいことがあるような口ぶりでも、
虚しさなんぞ感じていたり、自信がなかったりする思春期。
その原因は、私が作ったに違いない。

ずっと一緒に暮らしてもいいよ。
悩むなら、出口を探すために悩んでくれると嬉しい。
そのためのお手伝いをしますから。

と、言葉に出さずにユリの言葉を聴いている。

言葉に出すのは、

ユリの気が済むまで、帰ってきたら膝に抱っこしようか

ユリはすでに私より背が高く、オッパイ星人の女子高校生。

「もう気が済んでるから、止めて」

「手をつないで歩こうか?」
「キモイ。気持ちだけで十分です」
「寝る前に絵本を読んであげようか?」
「止めて!恥ずかしい!!」
「ママは全然恥ずかしくないぞ!!」
「・・・・気持ちだけで、充分です」

そして、養育費というものが、ユリの高校卒業までで、
進学や病気の際でも貰うことはできないという事実を知り、

なぁあんだ。今より貧乏になるなら、やっぱりユリは1人暮らしする(^o^)

年の若い(24歳の美人!)友人にこの会話を愚痴る。
「サユリちゃん、ほんとウザイから止めてあげて!アタシは娘の味方をするよ」
と怒られる。

そんな夜なのでした。






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