海洋空間編集長雑記



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2003年9月分




2003年9月26日(金)
「♪みのりん、みのりん、みのりんぐみぐみ…」


「NOVAうさぎ」シリーズが回を重ねるごとに文字通りの尻すぼみ、
竜頭蛇尾の如くその勢いを急速に失っている最中の現在の日本CM界において、
今最も注目を集めているCMは「アミノ式」シリーズである、
というのは衆目の一致するところの見解であろうが、
その次にブレイクするのは「みのりん、みのりん、みのり組」であるに違いない!
と固く信じて深夜にリヴィングで一人ダンシングしているのは私だけだろうか。



2003年9月17日(水)
「“目が悪い”ということが持つ意味」


先日、またもボクの恥ずかしい寝言集が公開されました。
ズラズラと眺めていたらその中に、
「むむ、これこそまさにワシの深層心理をズバリと表しているではないか!」
という寝言を発見しました。
それはNO.20の寝言。

それは、ボクがどうやら夢の中でメガネをなくしてしまったみたいで、
“もはやこれまで”みたいなことを口走っている寝言なんですが、
これは実はボクが十数年前、視力を悪くし始めてからずっと
意識の奥底で思い続けていたであろうことなのです。

ボクは相当に目が悪く、その視力は0.02とか0.04とかいう数値で、
視力検査の時などは前に2メートルほど出ないと、一番上のひらがなすら読めないぐらいなのです。
以前、会社でコンタクト・レンズを片方なくしてしまい、
たまたまその日は車で会社に行っていたため、
帰りは片目だけ裸眼で運転して帰ってきたことがあるんですが、
まったく冗談ではなく命の危険を幾度も感じ、
よー無事に帰り着いたなおいっ、てな具合です。

現代社会ではこのように視力が弱い人間も、
メガネやコンタクト・レンズといった文明の利器によって救われることが可能ですが、
でもこれって、実は“動物”としては本当に致命的な欠陥だと思うんです。

もしコンタクト・レンズが、メガネがなかったらと想像してみると、
ボクはまるっきり生き延びていく自信がない。
これはつまり、“動物”としては失格、生存不可!っていう烙印を押されたことに等しいと思うのです。

野生動物の世界はいうまでもなく弱肉強食の鉄則に支配され、
身体的欠陥があるものほど早くその生命を奪われていく仕組みになっています。
脚を怪我して群れについていけなくなったもの、
顎や歯を悪くして食物を嚥下することができなくなったものに待っているのは、
確実な死です。
それと同じように、目が悪くて獲物を見つけられない、
天敵の接近に気付かないものが辿り着く運命もまた同様に、
死、以外のなにものでもありません。
だからボクは“動物”としては失格の存在で、
文明によって生き永らえさせられているに過ぎないのです。

そんな根元的な恐怖心が寝言という形をとって表層に表れていたんだな!



2003年9月16日(火)
「頼むから真っ当に使ってくれ、オレたちが払った税金」


昨日、阪神タイガース18年ぶりのリーグ優勝が決まりました。
ということでさんざん取り沙汰されている例の道頓堀ダイヴ、
本当にアホの極みだとボクは思いますね。

これだけ危険だ汚い死ぬと、科学的なデータも並べ挙げられて
再三警告されているにもかかわらずの集団ダイヴ。
こりゃあこう言ってしまっては語弊があるでしょうが、
一人二人死ぬまでは事態は何も変わりませんな。
毎年阪神が優勝することはないにしろ、昨年のサッカー・ワールドカップの時も相次いだように、
関西で何かスポーツ・イヴェントが起こるたびに、道頓堀ダイヴは繰り返されることでしょう。

別に彼らが汚水に飛び込もうが、それを飲んで腹を壊そうがボクたちには何の被害もありませんが、
ボクが許せないのはそのために莫大な公費、我々が納めた血税が使われることです。

ミナミの繁華街で混乱が生じるために、応援まで頼んで警備に当たる警察官を大増員する。
制止を聞かずに勝手に飛び込むアホどものために、
出さんでもいいのに救助艇や救急車の用意をする。
微々たることかも知れないけれど、アホにものを分からせようと、
「飛び込み禁止」と書いた看板を作って立て掛ける。
これらに必要なおカネはどこから出ているか。
言うまでもなく、税金ですよね。
アイツらの安全を守るために高い税金払ってるわけじゃないんだけどなあ。

抜け出す方策がありながらそれを採らずにヌルい現状に甘んじる怠惰なホームレスどもを飢えさせぬために、
地方自治体がカネを出して炊き出しを行う、それに匹敵する公費の無駄遣いだとボクは思います。



2003年9月13日(土)
「何か知らんけど寂しいねえ」


ボクは大きなお風呂に浸かるのが大好きなので、
昨晩も一人で近所の銭湯に行って来ました。

気持ち良く入浴を済ませ、脱衣所に上がってきてふと壁の方を見遣ると、
そこには「9月28日をもって閉店させていただきます」の張り紙が…。

実はちょうど家から銭湯に向かう道すがら、
“銭湯って360円もするんだよな、結構高いよな、
でもその値段でもたとえば一日100人来たとしても3万6千円か…、
まず100人は来ないだろうから経営もいろいろと大変なんだろうな…”
てなことを考えていたんです。
そんな矢先の閉店宣言だったから余計にビックリ。

何かにつけて世知辛い世の中ですなあ。



2003年9月10日(水)
「爪の垢でも飲ませてもらおうか…」


陳腐な表現だけれど、やっぱり松井秀喜はデカい男ですぜ。

以下は9月9日付『読売新聞』朝刊より引用した松井の発言。
「言ってはいけないこと、言わなくていいことを除いて、自分の気持ちを素直に伝えようと心がけてる。
言ってはいけないこと?他人を過小評価する発言。
言わなくていいこと?打席内での思考回路っていうか、細かいアプローチの仕方。
専門的すぎると、難しく思う人もいるでしょ。
何にしても、よほど的外れでない限り、質問者の意図を頭から否定しないようにしてる。
その人なりの考え方があるわけだしね。」

あのポジションまで登りつめてこれを言える人って、ちょっと想像しがたいものがあります。
子供の頃からエースで四番、常に輪の中心、ヒーローであった人物が、
いったいどんな成長過程を踏めばこのような悠遠な心の持ち主になれるのでしょう。
裏を取ったわけでも何でもありませんが、
巷で囁かれている松井家の持つ素性にその根っこはあるのでしょうか。
もし本当にそうだとしても、あんな人物が育つならボクはそれ以上言うことはありませんけどね。

そして件の発言は、メジャーリーグの先輩ジャパニーズ、
イチローを強烈に意識したものに間違いないとボクは断言します。
松井の言っていることとまったく正反対のスタンスで
常にマスコミに接し続けたイチローに向けての凄絶なアンチテーゼなのです。
球界においてもその実情はまさに四面楚歌、解説者たちからもあからさまに苦言を呈されている
その悪名高きイチローの立ち居振る舞いを見るにつけ、
「こうはなりたくない」と感じ続けていたからこその先の発言であることは確実です。
ほとんど名指し発言、告発に近いものがありますから。

それに松井は「チームメートに迷惑をかけたくないから」という理由から、
たとえ自分がどんなに惨憺たる結果に終わろうが、
必ず毎試合後に帯同している日本人メディア軍団向けの即席記者会見を開いています。
ここのところ続いているスランプの時期もそれは変わることありません。
日本中の期待を背に受けているという、それだけでも辛い立場でありながら、
その期待を裏切ってしまっている最中にも全世界に向けて肉声を辛抱強く話す、
ってこれとんでもなく難しいことですよね。
でも彼はそうすることの意味と必然性を理解して、それをし続けている。
メディア側に立っているボクの目から見ても、
「しんどい時にそこまで気遣わなくてもいいよ…」と思うぐらいに。

毎晩のスポーツニュースで、イチロー、松井を初めとする日本人メジャーリーガーの結果を報道していますが、
その時、松井のインタビューを頻繁に観ることはあっても、
イチローが試合後、記者に向かって話している映像を観たことがありますか?

もちろんだからといってジャーナリストの側の人間が努力を怠ってはいけないこともまた当たり前です。
同じく『読売新聞』紙面から引用した、松井と親交のあるとある記者の言葉です。
「練習やプレーをしっかり見ていたり、データを調べておいたり…。
そうした準備をどれだけやってるかによって、返ってくる答えも違う。
今、改めてそう感じる。」

質問者の、質問自体のレヴェルが高ければそれに呼応した回答を返し、
そうでなければそうでないなりに、ただしバカにすることも否定することもなく。

大きい男ですね。



2003年9月8日(月)
「フッフッフ、ボブ・サップと写真撮ってもーた」


先週、番組でボブ・サップに会ってしまいました!
恥ずかしながら素人に戻って(意識的に)、写真まで撮ってもらってしまったり。

生ボブ・サップにテンション上がりまくり

立ってみると確かにデカいヤツですが、ご覧のように座っているとそれほど大きさを感じませんね。
しかも頭のデカさもボクとあんまり変わらんかったりして…!

いや〜、疲れてましたね、彼は(じゃあ写真なんか頼むなっつー話ですが…許して)。
さすがにカメラが回るとすかさずモードはonに切り替わって、いつものビーストと化してくれますが、
打ち合わせの前後とか控え室では結構グッタリ気味のボビーでした。
来たる9月21日のK-1 JAPAN、
そして10月11日のK-1 GRAND PRIX 開幕戦のプロモーションのため
関係各所にその体を完璧にホールドされており、
ボクの番組に来てくれた時もまさに分刻みのスケジュールで
大阪中を引きずり回されていて、傍から見ていてもお気の毒っす。
それに前回ミルコに負けた時、角田さんから「テレビに出過ぎだからだ!」みたいなことを言われ、
それも本人的には結構効いたらしく、
「あんまりテレビには出たくない。今回負けたらどうしてくれるんだよ…。」
と若干ナーヴァスにもなっていたと、消息筋からの話。

でも先程の角田発言に関しては、
ボクはボブ・サップのおかげで今日のK-1の人気、認知度は築かれたと思っているから、
身内が足を引っ張っているようであんまりだと思いますけどね。
サップのテレビ出演のスケジューリングにはもちろんK-1事務局の意志も入っているんだから。
ボブ・サップ登場以前のK-1はというと、初期の頃はアンディ・フグに佐竹雅昭、
近いところではアーネスト・ホーストやピーター・アーツ、
それにジェロム・レ・バンナらがその中心選手として屋台骨を支えてきた人気スポーツでしたが、
では老若男女誰もが知っている文化かと問われれば必ずしもそうではありませんでした。
それを変えたのが昨年のボブ・サップですよね。
彼がその動物的な強さとは対照的な普段の愛くるしいキャラクターでもって露出を続けたからこそ、
今のK-1はたとえば50を越えたうちのオカンでも知っているものに進化を遂げたんですから。
世のおじい、おばあはホーストは知らなくてもサップは知っています。

話がそれてしまいました。
そんなシヴィアな環境の只中にいるボブ・サップでしたが、
噂に違わぬ一日7回の食事を摂取するために、
数少ない合間をみてせっせとその胃袋にカロリーを収めておりました。
ちなみにそのメニューはチキン、ポテトなどの代表的米国ジャンクフードとともに、
焼きそばやお好み焼き(!)といった炭水化物たち。
そしてドリンクはピーチティーやグレープジュース、オレンジジュースがお好みのようで、
普通のグラスをお猪口のように持ってガブガブと飲んでいました。

ボクらの目にも見えるくらい明確に疲労していたサップでしたが、
やはり根はポップなアメリカの青年だなあと思ったのが、
本番を終えて控え室へと戻っていた時です。
我々の少し前をK-1の日本人スタッフが歩いていたんですが、
電話をしながら歩いていた彼は少し注意散漫になっていたようで、
曲がるべき角を折れずに廊下を間違った方向へと行ってしまったんですよ。
当然ボクたちは「そっちじゃありませんよ」と言おうとしたんですが、
陽気なボビーはそれをサッと制して、口に人差し指を当て満面の笑みで「シーッ!」だって。

さらに事例はありまして、実はボク個人的にすごく嬉しかったことです。
ボクはその日エア・ジョーダンを履き、さらにはジョーダン・ブランドのTシャツを着ていました。
そしてなんとボビーもヴァージョン違いでしたがエア・ジョーダンを履いていたんです。
打ち合わせ中そのことに気付いたボブ・サップ、
それまでのお疲れモードからいきなりテンションが上がって
「彼は日本のマイケル・ジョーダンだぜ!ワハハハハ!」と周囲に吹聴、
さらにはボクに向かって
「ジョーダンはラス・ヴェガスでのオレの試合を観に来ていたよ!彼はオレの友達だ!」
と何とも楽しそうに語ってくれました。
メチャメチャ嬉しかったですね。

本当に愛すべき男です。
彼の過密スケジュール、
そして精神的プレッシャーの一因の片棒を担ぐ立場としては何とも心苦しい限りですが、
彼にはぜひともベスト・コンディションで頑張ってほしいっす!





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