海洋空間編集長雑記



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2003年7月分




2003年7月30日(水)
「今だ侮れぬわ、『北斗の拳』人気!」


“そういえば、ワシとしたことが
7月24日に発売されたOVA「新・北斗の拳」をまだ購入していなかったわ!”
とはたと気付いた豪雨降り注ぐ会社帰りのド深夜、
TSUTAYA梅田堂山店にわざわざ足を向けたわけである。

正直に言ってしまうと、我が全身全霊を賭けて愛する
青春時代から色褪せぬままのアイドル「北斗の拳」といえども、
世紀をまたぐ国民的名作アニメ「ドラえもん」や「サザエさん」、
はたまた純真無垢な少年少女たちの憧れの対象「アンパンマン」や
「とっとこハム太郎」なんかに比すれば、
残念ではあるけれども遥かに一般大衆支持率の低い、
いわば一部の限られたマニア向けのマンガに過ぎないのだよ、
とワシ自身思い込んでおった。

であるからして、件のOVAも発売より5日ほど経過してはいるが、
まあ予約などしていなくてもフラリと飛び込んだ店頭にて
ホクホク顔で入手することなど造作もないこと、
と軽く高をくくっておった。

しかーし!
ワシは知らなかった、
そのような名もなきマニアですら数百の屍を築いてようやくマニアと呼ばれることを。

遅かったわ、品切れであった。
恐るべき北斗マニアの底力。

品切れなど知らぬ通じぬ、他店舗にも在庫はないのか?と問うてみたが、
確認しうる限りどの系列店にも在庫なし、また入荷の予定も未定とのこと。
むうぅ…。

神よ、これが貴様を信じすがったものに対する仕打ちか!
動き喋る武論尊と原哲夫、早く観たいよう。



2003年7月29日(火)
「何でトビウオなの?」


水泳世界選手権、終わりましたね。
昨晩、最終日のメドレーリレーはあまりの疲労に寝てしまって見逃しましたが、
見事日本は銅メダルを獲得できたそうでおめでたい。

しかしこの期間中テレビを観ていて、
突然ある大きな疑問が思い浮かんできました。

特別実況の古館伊知郎が北島康介のレースの時口走っていたのが、
“平成のトビウオ”。
古くは古橋某選手が元祖“フジヤマのトビウオ”と称されていたそうですが、
なぜ泳ぐのが速い日本人のことをトビウオというのでしょう?

飛んでるか?
まだバタフライなら百歩譲って認めぬでもないが、何で平泳ぎの選手がトビウオだ?
しかも泳ぐスピードにしても、羽根が生えていようが所詮雑魚に過ぎぬトビウオなどよりも、
マグロとかカツオとかブリの方が遥かに速いではないか。

こんなことに今更気付いて不思議に思っている自分にも
ある意味驚いてもいたりしますが。



2003年7月27日(日)
「何でもかんでも『武蔵』にすりゃいいってもんじゃないでしょーが…」


金曜日、土曜日と、ロケの下見のため関門海峡付近に行ってきました。
とある鉄道会社のキャンペーンとのタイアップです。

もう『宮本武蔵』にお腹いっぱいずらよ。

例の大河ドラマが決まって、
直接の所縁の地、巌流島に記念碑を建てたり何だりというのはまだ分かる。
でももうあの辺一帯のエリアがムサシ尽くしなんです。
あっち行ってもこっち行ってもお出迎えしてくれる、
武蔵と小次郎の顔出し写真撮影用パネル。
お土産物店で見かけたお菓子の名前は『遅いぞ武蔵』。
観光施設内のモニターに流されている映像もことごとく武蔵vs小次郎、
なぜか九州側の門司港駅前にも武蔵vs小次郎パネル(巌流島は下関市)、
挙句の果てには水族館のアシカショーの演目も武蔵vs小次郎、
これは相当無理があったぞ。

すっかり食傷気味になって、さらば!関門海峡、
と心の中で呟いて彼の地をあとにしたのだが、
また来週行くんだった。



2003年7月21日(月)
「独立開業した友人夫妻にエールよ届け」


昨日の昼、仕事が控えていたのでそれほどゆっくりはできなかったのですが、
学生時代のバスケ仲間、S夫妻がオープンしたお店にお邪魔してきました。

nokiro-art-net」という、京都にあるお店。
食器や陶器、照明、絵画、書道、家具など各分野のクリエイターたちの作品を扱っている、
総合インテリア・プロデュースのようなことをされているお店です。

最近何かと話題になることの多い“京町家”をリフォームして作られたその店舗は、
我々日本人にとって本当に落ち着きを得ることのできるできる佇まい。
もちろんいろいろと手間暇苦労もあるでしょうが、
都会のマンション住まいの我が身にとっては、とても羨ましく感じられました。
できるだけ費用を抑えるために電気・ガスの配管等以外はほぼ自力で修繕したとのことでしたが、
なかなかどうして、とても美しく仕上がっていましたよ。

扱われている商品も、あいにくボクはインテリアにはとんと疎いのですが、
妻・ユカリンは元建築士兼インテリア・コーディネーターという経歴柄、
とても興味深そうに仔細に渡って眺め回した上、大層気に入っておりました。

それなりに努力を重ね、日々頑張っているという自負はありますが、
所詮一介のサラリーマンであるボクからすると、
どんな業種であれ独立開業の道を選択した人というのは、
憧憬の対象以外の何者でもありません。
そんな人をボクは尊敬してしまいます。

勤めていた会社が潰れたとか、クビになってしまったとか、
そういった不可抗力的事態でも起きない限り、
人は自らの意志で現在の安定した状態からは逃れ難いものだと思います。
将来に対する不安、そして差し迫るべき目先の不安。
そういったすべての不安を相殺し尽くしてなお余りある希望をもって、
“本当にしたいこと”の実現に向かってレールを敷いていく。
それは、尊敬に値する生き方だと、ボクは思います。

頑張れ。
淳、陽子。



2003年7月18日(金)
「骨太強大ポメラニアン」


今日会社で、別の番組の本番に来ていた梓みちよさんの飼っている犬を見たんですよ。
梓さんはものすごく犬好きで、どこに行くにも連れて行っているらしくて。
大きさは40センチぐらいかな、そんなに大きくもなくて、
茶色がかったクリーム色の短い毛、耳はピンと立っていて。
体型は程よい肉付き、足もガッシリと太く健康そうなカンジ。

“柴の子供かな、豆柴かな、それとも柴の入った雑種かな〜”なんて思ってたんですよ。
とにかく、柴、って雰囲気だったんですね。

で、ちょうどマネージャーさんが通りがかったんで、
「かわいいですね、この犬、何ですか?」
「ポメラニアンです。」
「えっ?」
「ポメラニアンです。」
「…はっ?」
「ポメラニアンなんです。」

???
“ウチの実家にもポメラニアンいるけど、全然違うよなあ…”。

数分後、そのマネージャーさんがいなくなった後、番組のスタッフに訊いてみました。
「この犬、何?」
「ポメラニアン。」

その数分後、また別のスタッフに訊いてみました。
「ねえ、これ、ポメラニアン?」
「そうらしいです。」

本当に巨大ポメラニアンだったらしい。

何食わしたらあんなに大きくなるんじゃ!!!
久しぶりに素でビックリしたわ。
っちゅうかデブ、っていうカンジでもないんですよ。
なんか、デカい。うん、デカい。
デブイヌ・ネコによくあるように、歩くのにもゼーゼーいってるとかそんなんもないし。
テクテクテクテク力強く歩いとるわけですわ。
毛は短く刈っているらしい。
関係ないけどダッコしようとしたら「ウ〜〜〜」って怒られたし。

イヌ界のボブ・サップみたいなもんかも知れんな、アイツは。



2003年7月13日(日)
「Yahoo!BBスタジアム観戦記」


昨晩、ユカリンとボクの妹夫妻(愛知県在住)と4人で、
Yahoo!BBスタジアム(旧グリーンスタジアム神戸)に野球を観に行ってきました。
オリックスvs千葉ロッテ。

何とまあ奇特なことに、妹のダンナ、セイヤン(=日進在住のトド)はロッテファンなのである。
ちなみにロッテファンの数は全国で約1500人、妹夫妻の住んでいる愛知県内には9人と推測されます。

開門前に現場に着いたのですが、着いてみてビックリ、凄まじい人手ではありませんか。
間違えて甲子園に来てしまったのか?と思うぐらいの大群衆である。
開門を待つ人、人、人の長蛇の列。
後で知るところによると、GW中、5月5日以来の3万人超の観衆だったそう。
パ・リーグ5位と6位の対戦だからってなめてました。
この日はスーパー花火ナイトといって、
5回終了時にドカンドカンと大量の打ち上げ花火をぶっ放すイヴェントがあったのですが、
それも影響していたのかも。

で、行った席は3塁側のフィールドシートというところで、
ベンチとブルペンの間にある、メチャメチャグラウンドに近い席なのです。
しかもメジャーリーグの球場によくあるように、フェンスが腰の高さぐらいまでしかなくて、
手を伸ばせば選手にも届くし、ゴロのファウルも捕れたりします。
とにかく近くて、臨場感は申し分なし。

ボクたちが着いた時も早速、ロッテのピッチャー、シコースキーが目の前を歩いていて、
気軽に写真撮影などに応じてくれました。
さすがに外国人はファンサーヴィスが上手い。ナイスガイ。
おまけに妹は立川という選手に巧みに話しかけて、ボールをもらっていました。
セイヤン(=日進在住のトド)はもう手がつけられないほど興奮しています。

満面の笑みをたたえるセイヤンとシコースキー

この球場はYahoo!が経営するようになってから、“ボールパーク構想”だったか、
つまりメジャーリーグの球場にサーヴィス・雰囲気をできるだけ近づけよう、
というコンセプトで改革を進めているらしく、試合前のアトラクションやマスコットを使った演出、
はたまたフード・ショップなんかも実に良いカンジで楽しかった。
シートそのものも、背もたれ、肘掛けは無論のこと、
新幹線の座席みたいな出し入れ式のテーブルも付いていて、食事も快適。

確かに肝心なソフトの部分、
日本のプロ野球そのものの魅力がどんどんなくなっていってしまっているのは事実ですが、
それによる客離れを何とかして食い止めようとしている球団側の努力は十二分に見えた気がします、
少なくともこのスタジアムに関しては。
だって、たとえオリックスの選手が5人ぐらいしか分からなくても、
ロッテの選手なんか3人ぐらいしか知らなくても、
これならまた行きたいな、と思いましたからね。

何せボクの記憶の中にある野球場といったら、20年前のナゴヤ球場。
あの汚さ、狭さ、居心地の悪さとは比較するべくもないです。
それに当時はファウルボールがスタンドに入っても、
すぐにどっからか小姑みたいな係員がすっ飛んできて、「ボール返してください」だったし。
子供心に何だこのケチケチ加減は、と思っていたものさ。

試合は10vs7でオリックスの勝ち。
心配していた雨も降らず、フェルナンデスの満塁ホームランも見れたし、
名手・小坂の連続トンネルも見れたし、満足でした。



2003年7月11日(金)
「『北斗の拳』原画展に心騒ぐわ」


昨日は会社に行く前、一覗き「北斗の拳」原画展に行ってきました!
大阪会場オープン初日!
何度も言いますが、ボクは普通のサラリーマンです。

12:00オープンで、ボクが行ったのは12:30ぐらいだったんだけど、
木曜の昼過ぎなのに客がウヨウヨ!
予想通り大多数がボクと同じく30絡み、リアル北斗世代の男どもであったが、
中には女性グループやさらには単身女性などもいたりして、
改めて根強い北斗人気をこの目でしかと確認したわ。

知る人ぞ知る筋金入りの北斗マニアであるワシは、
入場無料の上に特典ポスターなんぞをいただいて満悦至極、
普段の粗暴さからは微塵も感じられない繊細さをもってして
ポスターがしわくちゃにならないように大事に抱えつつ観て回ったり、
撮影禁止の中、巧みに係員の目を盗んでパチリパチリとやってたりしていたのだが、
さらにさらに、げに恐ろしいことに、会場内の奥深くでは
原画のリトグラフの展示即売会なる悪魔の宴が厳かに執り行われていたのである。

豪華な金縁の額に納められていたその各種リトグラフのお値段は、
一枚33万円ナリ。
各種限定150枚の印刷で、それぞれに原哲夫御大のサインとシリアルナンバーが入るとはいえ。

原画伯の美しい原画とその目も眩むような値段付けに触れてしまったワシは
思わず前後不覚、酩酊状態、集団催眠にまんまとかかって
高級布団を買い求めるおばちゃんに極めて近しい心理状態に陥りかけていたわけだが、
そこはもう今年で30歳になる立派な!エッヘン!大人、
自己の内のホシイホシイ煩悩を見事に滅却し尽して、クールに会社へと向かったのである。

まあ実際は妻・ユカリンと一緒に行ってたからなんだけどね。

独身だったら間違いなく買っていたな!



2003年7月9日(水)
「動物園で大人は驚く」


昨日記の続きです。

明くる日曜はさらにびっくらすることに、
私と妻、そして私の母親(通称:オカン)と3人で名古屋の東山動物園に行きました。
私も妻も実家が名古屋にあり、
土曜の結婚パーティー終わりでブイーンと一泊二日で遊びに行っていたのです。

いい大人3人揃って出かけた動物園、しかもパンダの足こぎボートに乗ったり!でしたが、
動物は想像以上に楽しめました。楽しみました。

いやあ、キリンはでかいですね。
うん、大きい。
だって6メートルですよ。

ケニアに行って野生のものを見た時とはまた違いますね、
大人になってから動物園で見るケモノたちの印象は。
ケニアの時は、「動物ってでかい」とうことよりも、
周辺の自然環境すべて含めた事象そのものに驚いていましたから。
「動物園でしか見たことないゾウとかライオンがその辺歩いてるよっ!」っていうカンジで。

「あんなでかいモノが動いてる!哺乳類だよな、オレたちとおんなじ!」という凄く原始的な驚きは、
はっきり言って子供の頃に見た時よりも今の方が遥かに大きかったっす。
純真無垢、まっさらの状態でスゴイモノを見た時よりも、
ある程度“常識”が身に付いた後で、その“常識”に当てはまらないモノに接した時の方が衝撃は大きい、
っていうことなんでしょうね。

いいトシしたアナタに動物園はオススメかも?



2003年7月8日(火)
「後輩の結婚パーティー」


先の土曜日、後輩の結婚パーティーに出席しました。
まさに絵に描いたような美女と野獣カップル、
例えるならば生まれて初めて服を着たサルと、
竹から生まれたばかりのかぐや姫、といったところでしょうか。
ただ、かぐや姫の性情はかなり独特のようではありますが。

M夫妻、おめでとう!

京都のレストランが会場だったんですが、行ってみてオラびっくりしただよ。
二次会だし、と思ってフラフラとTシャツ・短パンで赴いたのだが、
なんとほとんど皆正装ではないですか。
ネクタイ、ネクタイ、またネクタイ。
乾杯の挨拶まで頼まれていたのに…。

しかもなんと牛頭大王までスーツ!

貧しさに負けた。
いいえ、世間の仕打ちに負けた。



2003年7月5日(土)
「仕事せーよ…」


昨日は会社で昼、いきなり新部長と新副部長に昼食に誘われ、若干緊張気味だったTF編集長です。

その後13時から17時まで4時間(!)、体育館でバスケットボールをしてきました。
あ、普通のサラリーマンですから、ボク。

しかし「老い」というものは本当に切ないですね…。
今日もバックボードに向かって全力でジャンプしたら、当然昔届いていたはずの高さにはまったく及ばず、
さらにふくらはぎが攣りそうになりました。

でも足が攣りそうになったという事実は歯を食いしばって隠し通しました。



2003年7月1日(火)
「アメリカ人は日本に来たら日本語を話せ!わかったか!」


皆さんは、英語で自分の名前を言う時、名を先に言いますか、それとも姓を先に言いますか?

ちょっと大仰な物言いだけども、日本という近代国家が誕生し、
物心付いた時から自然発生的に定められてしまっている他国家との無意識的上下関係、
というものは、まったく理屈を超越して根強い。
たとえば冒頭に掲げた疑問に対する回答に込められた慣習一つとっても、それは如実である。

大方の人が、名を先、姓を後に続けて自分の名前を語ることだろうと思う。
その時点ですでに我が大和国家共同戦線は、穀潰し米英連合軍に媚びへつらい、
ヘヘーとひれ伏してしまっているも同然なのである。

たとえばアメリカにMichael Jordanくんがいる。
もちろん彼の名、ファーストネームはMichaelで、姓、ラスト・ネームはJordan。
彼の名前を日本語で表記してみるとどうなるか。
マイケル・ジョーダン。
やはり並びは名→姓の順のまま。

翻って、鈴木一朗くんというジャパニーズがいる。
彼の名前を英語で表すと?
Ichiro Suzuki。
おわかりでしょう。
英語という言語の中に取り込まれた瞬間、
人の名前という極めてオリジナル性の高い固有名詞までもが、
自らの属する母国語の持つ法則性をあっけなく捨て去り、
独裁的言語=英語の定める体系にただただ盲従してしまっているのである。
「鈴木一朗」は「鈴木一朗」であってこそ「鈴木一朗」で、
「一朗鈴木」になってしまうともうそれは「鈴木一朗」じゃないんです。

デーヴ・スペクターですらデーヴ・スペクターではないか。

ならば他国も同様にファッキン米英ソルジャーズに蹂躙されておるのかと目を転じてみれば、
うむむ、さすがにアメリカと並ぶ選民思想、天動説の支持者、中国人はしぶとかった。

中国語っつうのは漢文を見ても分かるように、その語順は英語と極めて似通っているのだが、
人名の並びはなぜか違っており、名→姓ではなく、日本語と同じように姓→名の順。

さて、中国には姚明(ヤオ・ミン)くんという巨人がいる。
その巨人の姓は姚(ヤオ)で名は明(ミン)。
彼はアメリカでなんと呼ばれているか。
Yao Ming。
見事にその貞操を守り抜いているではないか。

大和の漢たちよ!
Ichiro SuzukiがSuzuki Ichiroにならぬ限り、米国民たちの悪虐非道な蛮行は収まらないし
日本は中国に永遠に追いつけない。





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