第9回 テクマクマヤコン、集中砲火で蜂の巣にな〜れ! 2004.6.6
《今回の名言》
ルールはわたしが決める
〜『ブラッディ・マロリー』
ほへぇ〜。
眠くて眠くて仕方がないよ。
睡眠時間うんぬんなんていうそんな程度の低い問題ではないんだよ、最早。
…ウトウト…
ああっ、寝ちゃダメだ!
こんなに眠いのはきっと頭の中に眠りネズミが夫婦で住んでてチュウチュウ…
子供を生んでチュウチュウチュウ…
はあぁ、もう誰でもいいからチュウしてぇ…
ウトウト。
ぬはぁっ!いかんいかん!
眠たがりな俺だけど、この春眠暁を覚えない眠たさには理由がある。
引っ張りだこゆえの膨大な仕事量、ぬぐいきれない将来の不安、病弱な妹、
実家の店の赤字経営、毎日やって来る取り立て屋…は全くの嘘で、
アニメを見続けているからである。
いやぁ、やっぱり面白いなぁ。
アニメ。
ありえないくらい可愛くてありえないくらいスタイルが良くて
ありえないくらい強い女の子が画面狭しと大立ち回りを展開しているのである。
テレビアニメ、オリジナルビデオアニメ(OVA)で女の子が主役というと、
俺の子供時代ではいわゆる魔法少女が多かったなぁ。
どこかの魔法の国から人間の世界に修業しにやって来て、
大抵その国のお姫さまで、魔法のアイテムであるステッキやらペンダントやらで
自由自在に変身しまくりで敵やっつけまくり!
それが時代が変わって気付けばいつの間にかGカップを揺らしながら
2丁拳銃でジョン・ウーよろしく横っ飛びしたり、
ショットガンで車ふっ飛ばしたり、
ビルの屋上で狙撃ライフル組み立てたりという活躍っぷりになっていたのだった。
女性が強くなったと言われる時代。
男性が弱くなったのだとも言われる。
新聞やテレビなどでちらほら見かけるジェンダーと言う言葉。
学校の保健体育の授業も様変わりしつつあるらしい。
まぁここで詳しく述べても仕方ないし、言ったところでヤブ蛇である。
ていうか正直ビビッたので触れません。
ここではあくまでもエンターテインメントの世界に関して述べることにする。
「強い女性が受ける時代になっている」と。
異論反論はあるであろうが俺個人の考えだから
気に入らない人は窓際にでも放置していてくれたまへ。
強い女性のパイオニアといえば、まずは子供のころに見た
『女必殺拳シリーズ』の志穂美悦子。
千葉真一譲りの本格派アクションをお昼のテレビ映画で見た記憶がある。
たぶん俺が幼稚園ぐらいの時期。
すっげーカッコ良かった!
今にして思えば倉田保昭よりかっこいいと思っていたんじゃないかなぁ。
その後、特撮戦隊ものシリーズ以外で、強くてかっこいい女性キャラは見なくなったけど、
久しぶりに「おおっ!」って思ったのは映画『ニキータ』。
リュック・ベッソン監督でかなり有名な映画じゃないかな?
ハリウッドも『アサシン』というタイトル、
ブリジット・フォンダ主演でリメイクしてるし。
『ニキータ』は主演のアンヌ・パリローがかなりワイルドなんだけど
だんだん女っぽくなっていくのね?
で、ショートカットで本当にかわいらしい。
しかも持っている銃器がデザートイーグルなんつー大口径の拳銃だったり、
ステアーAUGっつーオーストリアのライフルを
旅行先のバスルームで泣きながら組み立てたりと、ありゃいい映画だよ。
間違いなくA級です。
たぶんこれが強い女性が流行っていく源流の気がする。
その後は『エイリアン』シリーズや
『チャーリーズ・エンジェルス』(←あ、キャメロン、ドリュー、ルーシーのやつね)、
『バイオ・ハザード』、最近では『キル・ビル』なんかもそうだね。
探したらもっとあるかと思うが、キミ達が今読んでいるのはB級コラムです。
というわけで今回はこれっ!!
『ブラッディ・マロリー』…B級の匂いがプンプンするっしょ?
なんでこんなビデオを借りたか実際覚えてません。
気が付いたら棚の前でパッケージを眺めてた。
その後、家に帰る途中、自転車に乗りながら
「あれぇ、俺ビデオ何借りたっけ?広末涼子の『恋愛冩眞』と…なんだっけ」
って思ったくらい。
いやぁB級です。
フランス映画なんだけど、フランス人のオタッキーな監督がいい塩梅でやっちゃってます。
自分の大好きな日本のオタク文化をぶち込んでグイングインかき回して
トリュフなんかかけてみて上品な雰囲気に仕立てたらアラ不思議!
けっこう面白いんじゃな〜い?
フランス版特撮ヒーローものみたいでなんだか楽しい。
オープニングで主人公が結婚した相手がヴァンパイアで
血ィ吸われそうになってマサカリで反撃、その御主人ヴァンパイアを轟沈。
その後、政府直属の裏組織である秘密情報局・超常現象特殊部隊の
チームリーダーにおさまっているマロリー姉さん。
めちゃくちゃ強いです。
チームメンバーはドラッグクイーンで爆発物エキスパートのヴェナ・カヴァ。
声を持たないテレパス少女トーキング・ティナ。
グールをぶっ殺し祭りで血祭りに上げたりしてます。
そんな中、新しく即位した教皇が何者かに誘拐されてしまうのである!
チームメンバーも負傷してしまい、たった一人で教皇奪還に向かうことにするマロリー。
文句を垂れる依頼者にキッパリと一言ぶちかましたのがこれ!
『ルールはわたしが決める』
いいねぇ。
なんていうかスケバン刑事の頃からタンカをきる女の人はかっこいい!
南野陽子の鉄仮面伝説も良かったけど、俺は斉藤由貴のがよかったなぁ…。
再放送やらねぇかなぁ。
おっと、話がずれた。
俺、この映画ですごく好きなキャラクターがいるのです。
それはマロリーにぶっ殺された旦那のヴァンパイア。
なんというか変なあごひげでそんなに男前じゃないんだけど、
どこか優しさと厳しさを持ち合わせたキザなインテリっぽいヴァンパイア。
しかも激弱。
自分のことを「小物」と言いきっちゃうあたりが最高です。
なんと言うか、カカア天下の典型ですな。
夫:なんで俺が掃除洗濯炊事ゴミ出しやるん?
会社にも行ってんねんで?
お前、専業主婦やん。
テレビばっかり見おってからに!
妻:ルールはわたしが決める!
これは嫌だなぁ。
カカア天下なんだけど、これは嫌だ。
夫:夕べはお前が「上」やったんやから、今夜は俺が「上」でええよな?
妻:ルールはわたしが決める!
これ、ちょっと艶っぽくて素敵な感じだけど、2段ベッドの話だよ。
間違えないでね?
で、このヴァンパイアの旦那さんは死んだ後もマロリーに呼び出されて使役されたり、
彼女がピンチの時にもちょこちょこ出てきます。
元夫婦の駆け引きなんてあったりするんだけど、お互いにほのかな愛情を感じます。
旦那の方は言葉の端々に優しさが感じられるし、
マロリーはいつも首から結婚指輪をぶら下げて推定Eカップのおっぱいで挟んでます。
愛情やねぇ。
まぁ、俺の思うところ、強い女性、性格がとがってキツイと言う意味ではなく、
精神の強い、自分の考えをハッキリ持った女性は見ていても話をしても気持ちがいい。
そこがかっこよさだし、魅力的な所だろう。
強くてかっこいい女性に共通して感じるのは絶対的に優しさを持っていること。
こういった逞しい女性はこれからも現実に増えていくだろう。
だから我々男性も強くてかっこいい魅力的な存在でありたいものですなぁ。
それでお互いに素敵って思って恋が芽生えてチュウチュウチュウ…
おわー!何このアニメキャラ!
ショートカットでメガネ、わー!
萌えぇ〜!
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『ブラッディ・マロリー』
(フランス・2002年)
監督:ジュリアン・マニア
音楽:川井憲次
出演:オリヴィア・ボナミー
ジェフ・リビエ
アドリア・コラド
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