海洋空間B級生活のためのB級名言



第13回 子作りはクリエイティブに入りますか? 入りません。   2005.7.18



《今回の名言》

俺は ただの 「同人ゴロ」さ。
            〜『大同人物語』 第1巻



にゃー。
毎日眠たいよー。
御報告が、というか更新自体が遅れてましてごめんなさいねー
(全裸でスクワットをしながら)。
今年4月に1児のパパになりまして、まー、ドタバタでした。
仕事の環境も変わりまして、
その合間を縫って市役所に乳児関連の書類を取りに行って
嫁と子供の入院していた病院行ってまた市役所行って実家の市役所行って…、
世のお父さん達はこんなんしてたんかー!
改めて驚いた次第ですな。

そんなわけで今までと環境がドえらく変わってしまったわけです。
で、具体的にどんなところが変わったのか。
今日はファントマセミナーでそれを御紹介いたしましょう
(紹介が終わったら皆さんに高価な絵画を買って頂きます。それと自然食品)。

 1)マンガをホイホイ買わなくなった。
 2)寝る前にビールとツマミを摂取しなくなった。
 3)夜中にアニメを見なくなった。
 4)タバコの本数が半分以下になった(1日10本)
 5)体重が少〜し増えました。


…いや〜人間変われば変わるもんですなぁ。
ただね、変わらないものもあるんだ。
それはね、何かを創り出したいという思い。
クリエイティブのボルテージはガッツンガッツン上がってるんですよー!
実際やりたいことなんかが山積みな訳ですが体がついていかない感じもあるんです。
基本的に仕事の処理速度が遅いんだよ。
こういう業界では致命的な欠点なんですが、気分にムラがあるっつーか、
やるときゃガァーッと行くんですがやらないときゃ「明日でいいや」と…。
マッキントッシュで例えるとG4、G5なんかは夢の速さで、
未だにパワーPCでOSは漢字Talkです。
んでもって時々フリーズなんかしちゃったりして!
テヘッ(親指の爪を軽く噛んで振り向きながら)。
最近写真も撮ってない。
かばんの中にレンジファインダーカメラを放り込んでるけど、なかなか出番がない。
子供の写真はバリバリ撮ってます!
やったね、俺!
ファミリーカメラマンです、よろしく36。
あ、これはよろしくの「しく」と4×9=36を引っかけたハイレベルなジョークだよ?
なんかのアニメで広川太一郎が言ってた(爽やかにパクリ)。

そう、体力の限界をも凌駕するこの創作衝動にぴったりな今回の名言はこちら!

『俺は ただの 「同人ゴロ」さ。』

カーッ! きたーっ!
満を持して平野耕太の登場です!
えー、平野耕太と言えば現在『ヘルシング』を連載中で
売れまくってる漫画家さんでして、『ヘルシング』はアニメ化もされています。
現在進行形のメジャー作品になりつつありますが、マニア向けですなぁ。
それはさておき、今回の作品はCOMICガムにて連載され、
1998年に発行された平野耕太作品『大同人物語』です。
まぁ衝撃でした。
登場するのは最上級のオタクです。
俺は自分でオタクっぽい要素があるのではと思っていますが、
この甘ちゃんがー! って自分に思うほどのオタクしか出てきません。
テーマになっているのはタイトル通り、同人誌と同人作家の熱くほとばしる思い、
闘争、表現衝動うんぬんかんぬん。
3人の男前達が同人サークルを結成し、
コミックマーケットの頂点に立つ男を滅ぼしにかかるというカッコよすぎるお話です。
えー、1巻しか発売されていません(涙)。
未完です(泣)。
つーか1巻自体がすでに絶版です。
興味のある人は古本屋さんへGO!

同人誌やオタクをテーマにした作品は他にも色々あります。
『コミックパーティ』とか『げんしけん』とかありますが、
この『大同人物語』が一番かっこいいなぁ。
なんといっても1冊の中で婦女子が誰1人として登場しません。
色恋沙汰のかけらもありません。
本作中のキャラクター紹介で1人だけ出てきますが、
どういう絡みになっていくのかまるでわかりませんな(絶望的)。
それにしても男臭いマンガなんで女子は積極的に読んで下さい。

高校の漫研に所属しながらコピー本
(印刷ではなくコピー機で刷ってホッチキスで留めたマンガ)を創っている
木之下友(きのしたゆう)
伝説の同人サークル「黄金の夜明け」の中核にいた明智慎一
解散してしまった大手サークル「OUT SIDE」の元メンバーで軍事オタクの雑賀京一郎
この3人が手を組んで同人業界のキングにして
現「黄金の夜明け」の主催者・織田を滅ぼすため宣戦布告をするのだが…(以下不明)。

俺はこの平野耕太という漫画家が大好きで、
というのも彼のキャラクターは心のどこかに少なからず「獣」を持っている。
執着心であったり復讐心であったり闘争心であったりと、
一般的には心の奥に閉じこめているようなものが溢れている。
そしてあまりにも過激すぎるコマ割りと絵の構成、キャラクターの表情。
そこらへんは『大同人物語』よりも
『ヘルシング』を見ていただくと分かりよいのではないかな?
んでもって彼のマンガの登場人物って少数精鋭的なところもあって
むちゃくちゃかっこいい!
なんかね、俺の中の「組織とはこうあるべき像」にぴったりくるわけですよ。
一騎当千みたいなね。

初めて彼の作品を読んだのは『ヘルシング』でした。
本屋で何げに手に取ったのが出たばかりの『ヘルシング』第1巻だったわけですな。
独特の絵のタッチとストーリーが気に入ったんですが、
それよりも何よりも「あとがきのコーナー」が面白かった。
ツボにはまったと言うか、ええ、はまりました。
今ではもう閉鎖されているのですが、平野耕太ホームページもすごかった。
やりたい放題のテキストサイトで無茶やってました。
今でこそ面白い日記サイトやらブログが乱立している世の中ですが、
当時はあんまりなかったよ。
俺が知らないだけかもしれんが…。

こんな俺ですが同人誌って読みません。
コミケにも行きません。
マンガやらアニメやら大好きなんですが(今年で30かぁ…)、
どうも同人誌に手が出ません。
作ろうと思ったこともありません。
ただ、俺は彼等と同じ様に何かを作っていく。
仕事で何かを作る合間を縫って、また何かを作る。
それが仕事にもフィードバックする。
そんな「偏執的メビウスの輪」をぐりぐり廻していくんだ。
すげえモノ創ってやんよ!
覚悟しろよてめぇら!
よし…じゃあ、まずは俺の全スキルを注ぎ込んで、
たっくん(息子)の成長ムービーを編集しま〜す!
「俺はただのファミリークリエイターさ…」
とか言ったりしちゃったりして(全裸で側転しながら)!




大同人物語
『大同人物語』
第1巻
平野耕太

ワニブックス
Gum comics





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