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2020年5月 1日(金)

まだトンネルの出口は見えない

どうやら緊急事態宣言が今月末まで延長されるらしいという方針が見えてきた。
市井では、そろそろ経済活動も始めていかないと...という声がここ数日で大きくなってきたようにも感じるが、少なくともそれまでは現状と同レヴェルの自粛要請が続きそうだ。
人の命は何よりも重いものだし、「死なせない」「救いたい」という発想は自ずと湧き上がってくる感情として至極真っ当で、また絶対に捨ててはいけないものであることは間違いないが、現実問題として"ゼロリスク"を貫き通すことはやはり、人類の存続とコミュニティの維持というマクロな視点に立った場合、不自然な戦略であることは否めないと思う。
社会を構成する個々に目を向けてみても、他者の振る舞いや考えに対し必要以上に苛々して罵り合うなどといった醜い分断が目に余るようになってきている。
京都大学ウイルス研究所の宮沢孝幸氏がまた、収束を早めるための1つの方策として「50歳以下で健康な人はなるべく外に出して、感染を早めてもらう...」といささか過激な発言をされたようだが、理屈としては何ら否定するところがなく、そして氏が以前より提唱されている「ウィルスをゼロにする必要はなく、激減させれば感染しない」という前提に基づいた様々な提言も非常に説得力がある。
"肉を切らせて骨を断つ"じゃないけれども、私もひと月半ほど前から既に述べているが、ウィルスの殲滅を終えるまで殻に閉じこもるのではなく、疾病のリスクと経済活動や精神的な健康を含めた人間社会の存立とを天秤に掛けながら、行動半径を徐々に広げていくことこそが肝要なのではないだろうか。


♪ Give It To Me - Racer X