「第1回 FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルランニング in くつき」参戦記
「第1回 FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルランニング in くつき」に参加するため、前泊で滋賀県高島市まで行ってきた。
コースは約40kmのロングと約18kmのショートがあり、私がエントリーしたのはもちろんショート。
トレイルの距離は、ロードではその倍に相当するぐらいきつい。
ロングコースの制限時間が9時間半ということからもそれは窺い知れる。
2014年11月22日(土)
11時、家を出て名神高速に乗り、一路東へ...のはずだったが、なんと豊中に差し掛かったあたりで、肝心のシューズを忘れているという事実に気づき、愕然とする。
前夜から荷物をまとめて準備万端のつもりだったが、何たるビッグミステイク。
仕方ないので高速を途中で降りて家に取りに帰るより他なし。
3連休の初日で西宮市内はかなり混んでおり、90分のロス。
前日受付はもう無理だ、せめて前夜祭には間に合えばいいのだが...と割り切って、途中、桂PAで昼飯なんかも喰って、京都東IC→国道161号→国道367号と向かったところ、なんと15時過ぎに現地、グリーンパーク 想い出の森に到着し、見事受付もでき、16時からスタートする前夜祭にも余裕でセーフだった。
今回レースが行われる高島市の朽木は、かつて朽木村だった頃に、学生時代の悪友たちとキャンプやらなんやらでよく訪れていた場所。
道中、見覚えのある懐かしい風景も多く、改めていいところだなあと思った。
まさか20年の時を経て、このようなレースに参加するとは分からぬものだ。
前夜祭では鯖の棒寿司やなれ寿司、へしこ、それににゅうめんやなめこ汁、鹿肉カレーに栃大福など当地の名物料理が並んでおり、量も充分で満腹になった。
しかしそれ以上に嬉しかったのはやはり、今大会のプロデューサーである鏑木毅さんに会うことができたこと。
この世界では紛れもなく日本を代表する第一人者なので、会場での人気もすごかった。
色々な話を聞けたことも素晴らしい経験だった。
ゲストの方なども来られており、盛りだくさんの前夜祭、これで1000円はお得。
19時過ぎ、宿泊する白浜荘という宿にチェックインし、腹はいっぱいなので風呂入って21時半頃にはベッドに入った。
さすがにその時間から熟睡はできず、ウトウトしている時間が長かった。
2014年11月23日(日祝)
4時起床、身支度して4:30、宿を発つ。
昨日の昼間はとても暖かったが、さすがにこの時間はとても冷え込んでいる。
そして日の出前の路上は、都会に慣れた目には真っ暗で、闇の深さに身が引き締まる。
途中で路肩に立ち止まるシカ3頭とすれ違ったが、以前、丹波で農作物の獣害の撮影をしていた時のことを思い出した。
5時、指定の駐車場に車を停め、シャトルバスで開会式会場のグリーンパーク 想い出の森へ。
気温は5℃あるかないか。
会場をぶらついていると、前方になんだか見たことのある顔が、と思ったら、なんと我が社の先輩だった。
といってもランナーではなく、仕事でこの大会を視察に来たらしい。
驚いた。
陽が上り薄闇が晴れてきた6:30、ロングの部がスタートしてタフなランナーたちが旅立っていき、我々ショートの参加者は再びバスに乗り込んで、スタート地点へ移動。
安曇川沿いに20分ほど南下し、栃生という集落へ。
ロングコース同様、鏑木さんによるブリーフィングなどがあった後、トイレ行列が長いという理由でスタート時間を10分遅らせ、7:40に号砲。
まずは雰囲気のある集落の舗装された小道を2kmほど走り、それからトレイルの入り口へ。
前夜祭のブリーフィングでも鏑木さんが説明していたが、ここからいきなり3km足らずの間に700mもの標高を駆け上がるコースとなっており、ショートの部はスタート直後にいきなり最大の難所がやってくることになる。
しかもこれも説明にあったが、トレイルは九十九折状ではなく、ほぼ直登。
これはきついわ。
摩耶山に登った時のことを少し思い出したが、当然それよりもハードだ。
1時間半ほど上りっ放しで、ようやく標高949.9mの白倉岳頂上に辿り着いた。
心臓は大丈夫だが脚がもうだいぶダメージを負っている。
アキレス腱が少し痛み、また靴擦れも起きているようだ。
このシューズはもちろんもう何十回も履いて山に入っているが、ここまできつい上りを続けたことはなかったので、今まで擦れていなかった箇所が擦れたんだろう。
山頂付近で、想定になかった驟雨に襲われる一幕もあった。
天気予報では晴れだったが、やはり山の天気は一筋縄ではいかぬ。
上っている途中に暑くなって脱いだウィンドブレーカーを再び羽織った。
白倉岳以降の約12kmは細かいアップダウンはあるが、下り基調。
私は圧倒的に上りが苦手なので、上りの時は前には置いていかれ後ろには詰められて、反対に下りで前に追い付いて後ろを引き離すという繰り返しが基本パターンとなる。
この頃には前後にいるメンバーもなんとなく半固定化されてきて、会話を交わすことも。
ちなみにトレイルの入り口こそ渋滞したが、あとの区間はそんなことはまったくなく、周囲にまったく人の姿が見えない一人旅の時間も結構ある。
また、これもコース説明で何度も念を押されていたが、今回のコースは未整備の、本当の意味でのトレイルがほとんどで、分かりやすい木段や石段がないためコースを間違えやすく、そのため正しいコースを示すテープや目印が20~30mおきぐらいの短い間隔で設置されている。
特に間違えやすい場所では、それこそ数mおきにこれでもかというぐらい張ってくれているので、安心して走ることができる。
鏑木さんが「妖精を見た」という幻想的なトレイルは気持ちいい。
ショートコースの11km地点、ロングなら33km地点の大彦谷林道にエイド&チェックポイントが設置されているんだが、なんとその手前1kmぐらいで、早くもロングの部、1位の選手に抜かれた。
単純に、30kmを3時間ほどで進んできたことになる。
なんという速さか。
まさに猿のように爽やかに山を駆け下りていった。
どの世界にもバケモノみたいな人は必ずいるもので。
都合、ゴールするまでにロングコースのランナーには多分10人ちょっとぐらい抜かれた。
どのランナーも、一歩足を踏み外したら崖下に真っ逆さまに落ちてしまうようなトレイルを飛ぶように下りていく。
なぜ彼らはコケないんだろう?
大彦谷林道のエイドでは、名物の小鮎の天ぷらや鯖のなれ寿司の他、バナナやオレンジなどを頂いて、7~8分ほど休憩したか。
ここからも100m以上アップする上りが待ち受けており、ガツンと効く。
そしてそろそろ下りでも脚にき出した。
まだまだ鍛錬が足らん。
山から出て朽木の集落に入り、あとはロードをゴールの朽木中学校まで目指してトコトコ走る。
沿道の民家から出てきて応援してくれるおばあちゃんやおっちゃん、おばちゃんたちの笑顔がありがたい。
ゴールでは鏑木さんも迎えてくれた。
公式タイムは3時間52分44秒で、暫定順位は男子124人中59位。
もっと下位かと思っていたので、嬉しい誤算だ。
それにしても、しばらく山には登りたくない、と思うぐらい疲れた。
実際、時間的に見ても分かるように、フルマラソンに限りなく近い度合いの疲労感。
上り下りがある分、筋肉や骨へのダメージはそれを上回るし。
18kmのショートで精いっぱいだなあ。
振り返ってみると、第1回ということで多少不安はあったが、それがまったくの杞憂に終わる素晴らしい大会だった。
スタート地点ですべてのランナーを見送り、そしてゴールでもすべてのランナーを出迎えるという行為に代表される鏑木毅さんのホスピタリティーを始め、コース設定、運営体制、インフォメーションのアナウンス等々、どれも非常に高いレヴェルだったと思う。
エントリーフィーもまったく高いと感じない。
楽しませていただき、ありがとうございました。
開会式会場だったグリーンパーク 想い出の森内にある朽木てんくう温泉で一風呂浴びてサッパリしてから、同じく施設内にある朽木里山れすとらん 天空で岩魚の塩焼き膳の昼飯。
落ち着いた。
帰り道も特に目立った渋滞はなく、16時頃、西宮の自宅に帰り着いた。
♪ Gunning Down Romance - Savage Garden