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2011年4月14日(木)

決して民主党支持者ではないけれど

現民主党政権が間抜けであり腑抜けであることは確かにその通りだとして、個々の会見の揚げ足取りやミクロ的な対応の一つ一つをあげつらって、ヒステリックに彼らのみに責を押し付けようとする様は、それにしてもどうなんだと思う。
危機管理体制、より広い角度で捉えた言い方をすると、リーダーシップがまったくハチャメチャである、という点が、今の菅内閣が大きな誹りを喰らっている主要因であるわけだが、じゃあそもそもこのような体制、システムを構築していった過程にいたのはいったいどこの誰なんだ、という議論はもう少し目に見える形で巻き起こってきてもよいのでは?
たとえば、福島第一原発が稼働し始めてまだそれほど経っていない頃、構造上の欠陥に気付いたアメリカ人設計者の1人が操業停止を訴えたが、経営的および政治的判断により黙殺された、という話がある。
もはやここまでくれば誰が何を言っていても、それがどこまで本当のことなのか、我々にはなかなか判断がつきにくいのだが、仮に総合的に情報を鑑みた上で、この話が真実なのだとすれば、黙殺という選択肢を採った当時の自民党政権に責めはないのか?
表向きはGEや東京電力といった民間企業の下した判断だ、という形にたとえなっていたとしても、エネルギーや交通、通信、建設などの生活インフラには高い公共性が付随しており、それらを担務する各企業体が行う一挙一動には少なからず官の影響力が及ぶ、なんてことは誰でも分かっている。
事が起きてしまった場合に、それらに対処する能力や責任というものも当然重要だが、それ以前に、危機に対して端から脆弱な状態というものを放置してしまっていた、あるいは半ば意図的に生み出していったともいえる過去の政権が背負っている罪はそれ以上に大きいのではないだろうか。
まったくの独占状態にあるエネルギーインフラ業界において、原子力発電所を建設、操業する際の様々な規制を緩め、検査の基準を下げて回数も減らし、"何か"が起きてしまった時に対応することができないズブズブの土壌を醸成していった自民党政権およびその周辺への追及の声というものも、今後より大きなヴォリュームで聞こえてくるべきであると思う。
思えばこれに限らず、天下りは無論のこと、消えた年金問題や官製談合などなど、すべて根っこはつながっているような気がする。
もし、とかたらればの話をしたって意味がないことは分かっているが、仮にこの震災が起きた時の政権が自民党であったとして、今の内閣よりもずっとマシに舵取りをすることができていたに違いない、と言い切れる人がどれだけいるか?
福田とか安倍とか麻生とか、平時でもあれだけの無能ぶりを発揮してしまった総理大臣たちはまだ記憶に新しい。

...まずは責任の所在を押し付け合うよりも、現在進行形の未曾有の危機に国を挙げて対処していかなければいけない時に、こんな愚痴しか吐けない私も愚かだ。


♪ 死神の饗宴 - 人間椅子


コメント

今となっては何を言っても結果論でしかないので言いにくくはあるんだが、当時の情報だけを想像してみると、黙殺されたのも致し方なしではないかなという気がする。
現時点で、「あなたの家は震度8以上の地震で倒壊するから耐震補強したほうがよいですよ、500万で」と言われて、そうしますとは言わないだろうな、ということ。
特に、すでに稼働しているものに対してリスクがあって金と時間をかけて改修する必要がある、という話を周囲に納得させるのは政治の世界のみならず一般企業でも家庭内であっても難しいと思う。

ん~、ほかにもいろいろ連想した事を書こうと思ったけど長くなったので割愛。
長文コメント、大変失礼しました。

そう言われるとそらそうだな。
仕方あるまい。
でも検査基準とかを甘々にしたりして既得権益拡大に努めた罪はあるじゃろ?
といっても俺も本気でこういったことを糾弾したいわけじゃなくて、今、巷の人々が感情的に現政権や東京電力に対して暴言を吐いているのを見て違和感を覚えたから書いてみただけなんだけど。

40年前に作られたものを、補強もせずそのまま使い続けていたのはね・・・、ちょっと。

今回は本当に未曾有の出来事だったでの、責任のなすりあいをしても仕方ないよね。
それよりもいかに早急にリカバリーをしていくことしかないと思うのだけれど。

うーん、東日本の放射能が実際どの程度の状況なのか、本当のところが気になるよ。

また古いとこから引っ張ってきたな!
本当に、起きてしまったことは仕方がないのでこれからどうするか、それしか論点はないと思うんだけどね。
放射線の状況に関する詳報も激減した印象があるので、確かに心配だ。

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