3日(日)、11:45神戸発のスカイマークに妻と乗って羽田へ。
この日、さいたまスーパーアリーナで行われる「2006 FIBA バスケットボール世界選手権」の決勝(&7-8位決定戦)を観戦するのだ。
2週間前に札幌に1人飛び、グループゲームラウンドで今回のチームUSAを観ていたのでまだよかったが、何よりも楽しみにしていた、決勝戦を戦うアメリカ、が観られなくて残念といえばやはり残念。
特に今回は妻も同行するのだが、彼女はもともとスポーツに対して興味があまりない。
それでもNBAに関してだけは、いつも試合の映像を観たり雑誌を眺めつつ隣で騒いでいる僕の影響で、シャックやコービやアイヴァーソン、レブロン、ウェイドはもちろん、カーター、T-Mac、KGにキッドにナッシュにノヴィツキー、果てはアマレやキリレンコやJ-Willぐらいまでなら覚えるようになったので、このたびの観戦に際しても、「レブロンとかメロとかウェイドが観れるんだよねー、コービは辞退したの? 残念」なんてコメントはしていただけに、NBAのトッププレイヤーたちから選抜されたUSAが決勝に出てこないのはちょっとかわいそうでもある。
スペインはパウ・ガソルがケガで欠場とのことだし、先に行われる7-8位決定戦にドイツが出場し、ダーク・ノヴィツキーが観れることがまだ妻にとっては救いか。
羽田空港のマーケットプレイスで昼から焼肉を喰い、15:30頃、さいたま新都心駅に到着した。
このアリーナに来るのは2003年のNBA JAPAN GAMESの時以来3年ぶりか。
駅からアリーナに向かって歩いていくと、ちょっとしたイヴェント広場で元全日本プレイヤー、岡山恭崇さんのトークショーが行われていた。
久々に生岡山さんを見たが(以前、マジック・ジョンソンズ・オールスターズの試合を取材しに行った時に会場で遭遇し、ここぞとばかりに名刺交換をしてもらったことがある)、やはりありえないぐらいに大きい。
約230cm。
ショーの最後には質問タイムもあったので、挙手して1つ質問もしてしまった。
最後は、岡山さん自ら聴衆に「横に並びたい人がいたらどうぞ。一緒に写真撮りましょう」と呼び掛けてくれ、155cmの我が妻もステージに上がったら、目線が彼のヘソぐらいだったそうだ。
さすがに国内最高峰のアリーナ、チケットが完売しているこの日も人手はすごい。
グループゲームラウンドとはまったく異なるスケールと空気にテンションも自然と上がる。
今日の2試合に出場する各国のコスチュームに身を包んだ応援団の姿も目立つ。
16:15、席に到着。
札幌の試合のチケットを譲ってくれた会社の先輩もこの会場に来ているということで電話連絡をとってみたところ、案外近くてお互いに立ち上がって所在確認をすることができた。
16:30、7-8位決定戦のドイツvsリトアニアが始まった。
ゲームは序盤からお互いのシュートがテンポよく決まり、スピーディーに展開。
ドイツはガードの10番のデモンド・グレーネと11番のパスカル・ロラーの動きのよさが目立ち、5番 アデモラ・オクラヤのパワープレイも有効のよう。
対するリトアニアはアルヴィダス・マシャウスカスがいいプレイを連発している。
準々決勝では確か絶不調だった彼だが、この日はすこぶる調子がいいみたいだ。
8番のジエドリウス・グスタスと15番のロベルタス・ヤヴトカスもいい。
最初こそドイツも軽快に点を重ねていたが、第1クォーターの途中からリトアニアが攻守ともに支配を強め始め、徐々に点差は広がる。
序盤から好調なマシャウスカスは本当に動きがよく、得点だけでなくスティールやパスなどでも八面六臂の活躍。
また、7番のダリュス・ラヴリノヴィッチとダリウス・ソンガイラも得点を着実に重ねている。
特にD.ラヴリノヴィッチの決定力はすさまじい。
ドイツは大黒柱のノヴィツキーのシュートタッチが定まらず、なかなか差を詰められない。
NBAプレイオフの激闘から休みなく今回のナショナルチームに参加し、疲労が溜まっているのかもしれないな…。
47-41とリトアニア6点リードで始まった後半。
ハーフタイムを経てリフレッシュしたのか、ドイツが一気の猛追。
第3クォーター途中には、外が不調なノヴィツキーの豪快なダンクでついに同点に追いついた。
そこからしばらくは一進一退の接戦が続いたが、地道なディフェンス等で確実にドイツを凌駕していたリトアニアがやはり少しずつ差を広げ始める。
ドイツは頼みのノヴィツキーのスリーが決まらず、また本当につまらないパスミスやターンオーヴァーを連発。
リトアニアは引き続きマシャウスカス、D.ラヴリノヴィッチ、ソンガイラ、そしてリナス・クレイザが高いパフォーマンスを発揮し、働くべき人が働いているカンジ。
特にD.ラヴリノヴィッチは本当に1試合通して素晴らしく、終わってみればFG 7/8決めて18得点。
対するドイツは全体のFG%が36.4%、ターンオーヴァーもリトアニアより8多い25と、これでは勝てまい。
結果は77-62で、リトアニアの勝利。
決勝戦までのインターヴァルが1時間ほどあるので、一旦アリーナを出て隣接するレストラン街へ。
さすがに客が各店に殺到しており、ちょっと並んだが無事に腹ごしらえを済ませて時間前に戻ることができた。
余談ながら、アリーナに戻る時に私服に着替えたドイツ代表の5番 オクラヤと11番のグレーネとすれ違った。
あまりに突然だったので呆然と振り返るのみ。
19:30、いよいよスペインvsギリシャの決勝が始まる。
さすがに場内は満員、盛り上がっている。
左足の甲を骨折してしまったスペインのエース、ガソル兄は上だけユニフォームを着ているが、ジーンズを履いてベンチに。
さすがの世界選手権ファイナル、NBAのプレイオフもかくや、というすさまじいディフェンス!
10人のプレイヤーのものすごい集中力がスタンドS席まで伝わってくる!
なんと試合開始から2分近く両チーム無得点、最初のポイントはスペインの9番 フェリペ・レジェスのダンクというドラマチックな滑り出しだった。
その直後、今度はギリシャの9番 アントニオス・フォツィスが入れ返してすぐさま同点に。
開始当初はお互いにタイトなディフェンスが奏功していたが、先にギリシャがリズムを乱す。
エースが欠けたことによって危惧されていたスペインの方が、オフェンス、ディフェンスともに面白いぐらいに機能している。
特にオフェンスでは7番のファン・カルロス・ナヴァーロと8番のホセ・マヌエル・カルデロンのガード陣が縦横無尽にかき回し、内外ともに高い確率で決めている。
ギリシャは大型PGのテオドロス・パパルーカスが不発、他のプレイヤーたちにも、準決勝でアメリカを破った時の姿はまったく見られない。
ちなみにプロレスラーのようなその体躯と、ギリシャ人にしては珍しい黒人という風貌で一躍人気者となったセンターのソフォクリス・スコーツァニティスが出てきた時は場内から大きな歓声が沸き、結構な人気者であった。
第2クォーターに入ってもスペインの勢いはまったく衰えず、中でもすごかったのはセンターかと思ったらフォワードだった15番のホルヘ・ガルバホサ。
あのサイズでスリーをポンポン決める。
特にこのクォーターでは確か3連発もあり、いっそうチームを勢いづかせた感がある。
ギリシャのパパルーカスもようやくスリーを1本決め、またスティールからダンクを決めてチームを鼓舞するが、差は縮まらない。
とりわけアウトサイドが不調だった、ギリシャは。
スペインはエース不在で逆に燃えたのだろうか、皆闘志を前面に出し、いいプレイを連発している。
間違いなく世界トップレヴェルのガードであるという事実を証明したナヴァーロ、そして試合最初の得点となるダンクをブチかましたレジェスもいい働きをしている。
前半終了時点で43-23と、ダブルスコアに近い数字でスペインがリード。
こうなると第3クォーターで少なくとも1桁点差にはしておかなければギリシャは苦しい。
幸い、というか、スペインのショットが後半に入ってちょっと精度を落とし始め、スコアが停滞気味になるが、水モノのオフェンスと違ってスランプのないディフェンスは相変わらずきつく堅く、なかなか中に入ることはできない。
イージーなショットもいくつかあったんだけど、焦っているのかそれも落としてしまうギリシャであった。
そしてここぞというところで効率的にスリーを決めて突き放すスペインのガルバホサ!
まさにIn The Zone。
ナヴァーロも素晴らしい活躍を継続している。
ちなみに人気者のギリシャのスコーツァニティスは出てくるたびにファウルをしてすぐにベンチに引っ込んでしまっていた。
点差の詰まらぬまま試合は第4クォーターへ。
通常このぐらいの点差がこの時間帯であれば、リードしている方は若干流し気味にもなるものだが、そこはチャンピオンシップの決勝なのでそんなこともまったくなく、勝利に向かって邁進する手負いの獣、スペインの勢いは留まるところを知らない。
特に再三名前を挙げているが、ナヴァーロとガルバホサは実にすごい。
もうその一言。
すでに勝機をほぼ失ったギリシャは中も外も、そしてフリースローも入らない。
これが本当にUSAを破ったチームか? と瞠目するほどの体たらく…。
試合は70-47という大差でタイムアップ、スペインの優勝が決まった。
決勝らしからぬ思わぬワンサイドゲームに、試合そのものを楽しむ妙味は薄れてしまったが、この瞬間に訪れる興奮を現場で共有できるという幸福はしかと享受した。
無念の欠場を強いられたものの大会MVPを獲得したパウ・ガソルもうれしそうだ。
ふと「NBAの開幕に間に合うんだろうか?」と心配してしまったが…。
宿泊予定の東京プリンスホテル パークタワーに23時頃、到着。
昨年オープンしたこのホテル、さすがにきれいだ。
対応も不満なし。
翌4日(月)午前、チェックアウトを済ませてホテルの玄関に出てみると、1台の観光バスが従業員に見送られて出ていくところだった。
訊くと、FIBAの外国人役員たちが宿泊していたそう。
ホテルを出てまず向かったのは六本木ヒルズ。
僕の担当している番組でも取材したが、“歌うアイスクリーム屋”として有名な「ストーン・コールド・クリーマリー」に行ってみるのだ。
11:30頃着いたが、夏休みも終わった平日のこの時間だというのに、すでに客が並んでいて驚いた。
さすが。
ワッフルボウルに入ったアイスクリームを堪能した後、今度は千葉 幕張を目指す。
今回の関東地方1泊小旅行で定められた2つの主たる目的のうちの残り1つ、幕張メッセで開催中の「世界の巨大恐竜博2006」に行くのである。
13時、会場の幕張メッセに到着。
外は結構閑散としていたが、中に入ってみるとそれなりに詰め掛けているようだ。
いやあ、興奮してきたぞ、今日も。
幕張メッセの1つのホールだけが会場となっているようだったので、お、ひょっとしたらあんまり大きくないのかな? と少しだけ頭をよぎったけど、実際にはそんなことなく、とても大規模な展示博だった!
初公開、このイヴェントの最大の目玉である全長33mのスーパーサウルスを始め、カマラサウルス、マメンチサウルスなどの巨大竜脚類に、ティラノサウルス、アロサウルス、トリケラトプスなどの定番恐竜たち、それに子供に人気のケラトサウルスや見た目がユニークな鎧竜 ゴビサウルス、羽毛恐竜のシノサウロプテリクスなど、非常にヴァラエティに富んだ標本が、かつて行われたどの恐竜博もブッ飛ばすであろう多くの数、展示されていて、これなら特に恐竜や化石好きならずとも満足するだろう、というクオリティー。
ニッチなところで、南米で発見された数種の独特な恐竜の化石標本や、連動するNHKの番組、「恐竜vsほ乳類」にも登場したレペノマムス、アデロバシレウスなど、マニアも喜ばせる展示も多数。
とにかく恐竜だけでなく、哺乳類や獣弓類、植物に魚類に鳥類に昆虫まで、本当に多岐に渡る標本が多種並ぶド迫力!
そして何よりも感動だったのは、複製は最小限で、実物の化石標本が多かったこと。
スーパーサウルスはさすがに複製だったが、マメンチサウルス、ルーフェンゴサウルス、クーミンゴサウルスにカマラサウルスなど、巨大恐竜たちの完全体に近い全身骨格の本物を前にすると、もはや言葉はない。
去年の恐竜博にスーが初めて来た時も感動はしたけれど、今回はちょっと比じゃないな。
さらに、1日100組限定、抽選で当たればスタッフが撮ってくれる、“スーパーサウルスと記念写真”では見事当選して大喜び!
ちゃんとその写真を無料でくれるのだ。
広い会場内を歩き回って結構疲れた。
海浜幕張駅から高速バスに乗って羽田空港へ。
前日と同じくマーケットプレイス内で晩飯を喰い、横浜市内の友人宅でもう1泊する妻とここで別れて、1人スカイマークに乗って神戸空港へ帰ってきた。
22:30自宅着。
5月に購入して以来初めて人がいなかった1泊2日を経験したヘルマンリクガメのケージ内も思っていたより荒れていることもなく、魚も総員異常なし。
♪ 月さえも眠る夜 - The Boom