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2005年10月31日(月)

分厚い本バンザイ

端的に言うととにかく僕は本が好きである、といった旨の内容を少し前の本欄に書いたわけだが、中でも長編小説が好きである。
短編ももちろん優れた作品ならば読んでしまえばしまったで面白く読めるのだが、好んで読むのはもっぱら長編。
長編といっても、さらに言及するならば、書き下ろしに限る。

一概には言えないとしても、小説は長くなればなるほど枝葉分かれは増えていくし、つまり張られた伏線や設置された仕掛けなども増えていく傾向。
特に僕の好きなミステリーやそれに類する分野においては、そうなればなっていくほど、連載作品と書き下ろし作品を比較した場合、やはりどうしても前者、連載作品の方が辻褄を合わせることが難しくなっていき、小説全体を構築する物語の理屈が破綻する可能性も高まっていくように僕は思う。
誰とは言わないけれど、とある高名な作家の某長編小説を読んだ時、「なななんだこの駄文駄作は!」と腰を抜かしたことがあるんだけど、それは果たして新聞連載作品を単行本化したものだった。
ちなみに書き下ろし長編小説の体を為していた同作家の別作品は充分に面白かった。
毎日連載というとても限られた紙幅の中で、毎回それなりの山と谷を作りながらストーリーを組み上げていくという作業によって傑作が生まれる可能性というのは、やっぱりとんでもなく低いのだと思う。


♪ Time Is On Your Side - Earth, Wind & Fire


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