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2005年10月22日(土)

ある友人からの電話

プロ野球日本シリーズ第1戦、もうすぐ里崎が阪神を突き放すスリーランをレフトスタンドにかっ飛ばそうかという頃、僕の携帯電話に掛かってきた1本の電話。
それは友人のTからだった。

Tは僕と同い年、元々は放送作家をやっていたのだが一念発起、暫くの店舗修業を経て昨年、見事自分の店をオープンしたラーメン店主である。
ところが今日の電話で彼が僕に伝えたのは、「来月いっぱいでラーメン店を閉める。また放送作家に戻ることにした」という言葉だった。

元来が極めて楽天的な性質であるTだけど、妻と子2人を抱えてこれからの人生を送っていくことを考えると、他人からは想像もつかないほどに思い悩んだ末での結論であることに違いはない。
電話の声は明るかったし、神妙な報告が終わった後は「来週の草野球来れるの?」とかたわいもない話を振ってきて、何だかいつもの普通の会話みたいではあったけれども、たぶんTは今、迫り来る非日常の感覚をどうにかして日常に転換させてまるでなんでもない事だよと感じる風に持って行こうとしている最中のはず。
そんなことが伝わってくるような、明るい声だった。

彼は放送作家としても能力があり、ラーメン店主に転身する時も惜しまれながら、未だ放送作家として請われながらの職替えであったから、きっとすぐに仕事は決まると思うし僕もぜひ声を掛けたいと思っている。

個人の力ではきっとどうしようもない大きくて強い流れの中に呑まれながら、時には精一杯逆らいながら、そしてそれが必要ならば時機が到来するまでジッと死んだふりをしてパワーをためながら、勤め人には無縁のリスクをしょって自分のしたいことに勝負を賭けている身近な人間の存在に、会社員10年目の僕はまた得も言われぬある種の憧憬を禁じえない。

心から応援しよう。


♪ Religion Buzz - Kory Clarke


コメント

いろんなことを考える年齢になりましたねぇ。
自分のやりたいことだけではなく、いろんなことを。
身につまされます。はい。

身一つで勝負するって、本当にえらいよなあ…。

ラーメンの味が気になります

友達の贔屓目ではなくて、結構美味いのだよ。
こりゃうどんかと見紛うような極太麺に醤油ベースのスープで。
学生街に出したということもあって、イマドキ1杯450円だしね。
そんなとこにも遠因が…?

「Kory Clarke」の検索で辿り着いてみました☆
ロンドンで見たライブが、今でも
「宝」デス☆☆☆

おおお、生コリー・クラークを観たとはすこぶるうらやましい。
Warrior Soul時代の彼を観てみたかったと切に思います…。

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