ここ最近の寝不足と心身疲労がたたってか、どうにも体調が芳しくなく大好きな草野球もパスさせてもらった今日だけど、1日ずっと家でウジウジしているというのもあまりにも哀しい事態なので、午後から妻と出掛ける。
まずは苦楽園口にある「カフェ サヴーレ」に行き、サンドウィッチで腹ごしらえ。
たかがサンドウィッチというなかれ、この店のそれはかなり有名な一品。
僕は“カツと野菜のサンドウィッチ”を、妻は“エビフライと野菜のサンドウィッチ”をそれぞれ頼んで食し、良質の食物で腹はいっぱいに満たされた。
それから「恐竜博2005」を観るために阪神高速に乗って大阪市内へ。
会場は長居公園内にある大阪市立自然史博物館。
少し前の本欄にて、「ジュラ紀 大恐竜展」というイヴェントに行ってきた旨を書いたが、このたびの「恐竜博2005」は実はそれとはちょっと比べものにならないくらいのレヴェルとスケールを誇る恐竜展示催事。
目玉は何といっても、アメリカで1990年に発見された世界最大のティラノサウルスの全身(ほぼ)標本、“スー”!
それだけを観に行くのだといってもそれほど言い過ぎではない。
長居公園の周辺道路がもうバカみたいに混んでいて、とにかく参った。
今日は長居スタジアムではJリーグのセレッソ大阪vs鹿島アントラーズが行われており、さらにサブ競技場でも高校生かなんかのラグビーの試合が行われていたみたいで、当然周辺駐車場も満杯の大渋滞。
時刻はすでに14:30、「恐竜博2005」が催されている自然史博物館は16:30閉館なので、こりゃまずいと、普段はそんなことはしない主義なのだがやむなく路上駐車をして早足で会場に向かった。
自然史博物館にようやく近付いたところでさらに驚愕、メチャクチャ人が並んでるじゃないか!
「恐竜博2005」の入場待ちかこれほんとに? と思って今一度確かめたが、間違いなかった。
見えるだろうか、係員が持つ札には「45分待ち」の文字が。
このようなイヴェントは、僕みたいな嗜好の輩には垂涎ものなわけだが、それが必ずしもたとえば僕の妻のような多数の人たちにとっても同じように価値のあるイヴェントかと問われれば、たぶんそんなことはないでしょうなあ、と答えるぐらいの分別は僕も持ち合わせているつもりなので、正直この入場待ちの長蛇の列には心底驚き、そして焦燥を覚えたのだった。
みんな結構恐竜好きなんだなあ、思ったよりも。
やっぱりイヴェントの性格的に子連れが多いので、待っている間元気なキッズどもに足を蹴っ飛ばされたり体当たりを喰らったりしながら、15:15頃、ついに会場内に入ることができた。
当然、中もものすごい人の数だ。
人波をかき分けながら、ふうむ、ほお、おお、などと一つ一つ標本を見つつ進んでいくと、じきに見えてきました、ドデカい肉食竜の全身骨格が!
ぬううこれが“スー”か! なぬなぬ大きさは…12.8m! と若干の感動を覚えつつ近くへ、隣の妻ですらやや興奮しているようだ。
だけどだけど、あれ? なんだ…? ちょっと待てよ…?
なんか“スー”の横に並べられているタルボサウルス(これも10m近いのでかなりの迫力)の標本と少し質感が違う。
解説プレートを再び読んでみると、え? 複製?
一気にテンションが落ちた。
もちろん事前の告知などでも、今回展示される“スー”の標本は実物じゃなくてレプリカだ、という主旨のアナウンスはあったはずなので、僕が勝手に勘違いして思い込んでいただけのことではあるんだけど…。
よくよく情報を確認し直してみると、“スー”の化石は、法廷闘争の末所有者と認められた発掘地の地主から、シカゴのフィールド博物館が1997年、オークションにおいて約10億円で落札、それ以来フィールド博物館外で展示されたことはないそうだ。
今回もレプリカの全身標本の横で申し訳程度に、実物の“スー”の肋骨の化石が展示されていたのだった。
一旦家に戻り、夕食をとりに近所の「ビストロ ベーアッシュ」に行く。
今日食べたのは“野菜と生ハムのサラダ”、“ヒラメのポワレ”、“アンガス和牛の赤ワイン煮込み”、“フレッシュ・ポルチーニ茸のクリームソース・スパゲティ”など。
妻はこういったお店でシェフが調理をしているところを見るのが大好きなので、今日もキッチンがよく見えるカウンター席に座ることができて喜んでいたわけだが、確かにプロの熟達した料理の技を近くで見ているのは僕ですら楽しめる。
見ているとここ「ビストロ ベーアッシュ」のシェフは、魚にしろ肉にしろ野菜にしろキノコにしろ、オーダーを受けてから生の食材を出して一から調理を開始する。
品によっては最低限の下ごしらえはしているのだろうが、大体は最初から手間隙かけてのスタートだから、各々の食材がまったくヘタっておらず、本当に美味い。
サフランをベースにムール貝がブレンドされたソースがメチャウマのヒラメのポワレ、脂身が多いのになぜかスッキリサッパリしている和牛の赤ワイン煮などに舌鼓、そしてスパゲティを食べつつ、「こんなにデカいポルチーニ茸なんてそうそう喰えないよ」なんて話をしていたわけだが、妻に「去年もそんなこと言ってなかった?」と指摘されて、帰ってから昨秋の当コーナーを読み直してみたら、確かに書いてあったわ。
帰途、武庫川出口で降りて国道43号を西進していたら、道路沿いに大量の警官、パトカーがたむろしており、高速の入り口では検問の大渋滞、さらには周辺住民や店舗の従業員たちがなにやら野次馬らしく出張っているじゃないか。
そういえば出掛ける時、昼間もこのあたりには多くの官憲たちが右往左往していた。
誰が来てるんだろうな、と考えていたら、いいタイミングで対向車線からやってきた、白バイとパトカーを太刀持ち、露払いに従えた黒塗りセダンの一団とすれ違った。
帰宅後調べてみたら、どうやら皇太子だったようだ。
今日まで兵庫県を訪問していたらしい。
♪ Hold Me Down - Tommy Lee