スーパープレイヤー列伝
Player File No.3 2003.3.10 (2006.2.4 データ更新)
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Allen Iverson アレン・アイヴァーソン
ガード
183cm 75kg
1975年6月7日生
1996ドラフト1巡目1位指名
所属チーム:フィラデルフィア・セヴンティシクサーズ
出身校:ジョージタウン大
主なタイトル:得点王4回
スティール王3回
2001シーズンMVP
オールスターMVP2回
1997新人王
オールNBA1stチーム3回
…など |
史上最も身長が低い得点王。
それが、アレン・アイヴァーソンを語るに最もふさわしい称号だ。
公称183cm、実際には180cm弱しかないと言われているその小さな体は、
2m、100kgを遥かに超えるプレイヤーがひしめきあうNBAのコートでは
一際小さく目に映る。
体重も75kgと、平均的日本人男性とも大差ないその細い肉体で
よくも大男たちと対等以上に渡り合っているものだと、素直に感動してしまう。
彼の一番の長所は何といっても、その人並み外れたスピード。
NBAの試合をテレビで視聴していても、
そのスピードが他のプレイヤーよりも図抜けていることが、
画面上からもはっきりと分かる。
もし実際に間近で自分がその動きに接する機会があったら、
大げさではなく、きっと見えないだろうと思うぐらい。
スピードと一口で言ってもその形態は様々だが、
アイヴァーソンも含めて速いと言われる
一流のバスケットボール・プレイヤーたちが特に優れているのは、
一歩目の踏み出しの速さである。
あれ、と思ったその一瞬のうちに、すでに彼はトップスピードに達し、
バスケットに向かって一直線、というわけだ。
オフェンス時のみならず、ディフェンスに回った時にも
そのスピードはもちろん大きな武器となりうる。
クイックネスと長い腕、そして天性のセンスを生かしてボールをスティールし、
呆気にとられている相手プレイヤーを置き去り、気付いた時にはレイアップ。
そんなシーンが1シーズンに何度見られることか。
何せボールを持ってドリブルしているアイヴァーソンの方が、
ボールを持たずに追いかけているプレイヤーよりも速いのだ。
キャプテン翼と同じだね。
さらに彼には、ディフェンスを出し抜く時に有効な、
非常にレヴェルの高いドリブル・テクニックがある。
今はその特性をより生かすために
シューティング・ガードのポジションに入っているアイヴァーソンだが、
学生時代やプロ入り当初はポイント・ガードを務めていたので
ボール・ハンドリングはお手のもの、クロスオーヴァー・ドリブルと呼ばれる、
ディフェンダーの眼前で左右に大きくボールを振るテクニックを必殺技としている。
そして、NBA得点王に3度も輝いているように、
アイヴァーソンは抜群の得点感覚を持っている。
彼は決してシューターではない。
シュートフォームはお世辞にも美しいとは言えないし、
シュートセレクションも良い方ではないので、
確率もあまり高くない。
しかしアイヴァーソンには、
どんな状況になっても、どんな姿勢からでもバスケットを狙いにいくという、
ゴールに向かうすさまじいまでの嗅覚が備わっているのだ。
「オレは体でプレイしているんじゃない。
(自分の胸を叩いて)ここでプレイしているんだ!」とは、 2001年、ロサンジェルス・レイカーズとファイナルを戦っている時に アイヴァーソンが語った名言であるが、
まさにハートで点を取りにいっている、
そんな表現がぴったり当てはまるプレイヤーと言えよう。
そんなアイヴァーソンの悩みのタネは、満身創痍のその小さな肉体。
自分より一回りも二回りも大きな相手を向こうに、
毎晩のようにタフでハードなファイトをし続けているその体は、
ゴール下に切り込んでいくことが多いそのプレイスタイルとも相まって、
まさに傷だらけなのである。
肩、肘、腰、膝、足首、、、その故障箇所は数え切れない。
体の小さなガードのプレイヤーは選手寿命が短いケースが多いが、
ひょっとすると彼もその運命にあるのかも知れない。
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